承継開業の内覧で確認すべきポイント|設備・導線・スタッフ・周辺環境
目次
「承継開業に興味があるけれど、内見では何を見ればいいのかわからない」このような不安を抱いている先生も多いことでしょう。
承継開業の内見は、新規開業の物件探しとは確認すべきポイントが異なります。すでに診療が行われている現場を引き継ぐため、設備の状態やスタッフの雰囲気、患者の流れなど「稼働中のクリニック」ならではの視点が重要です。
そこで本記事では、承継開業のクリニック内見で確認すべきポイントを「設備・動線・スタッフ・周辺環境」の4つに分けて解説します。
内見後の対応手順や注意点もまとめていますので、内見を控えている先生はぜひ参考にしてください。
承継開業におけるクリニック内見までの流れ
承継開業では、物件の内見までにいくつかの工程があります。まずは医院継承の一般的な手順を確認しておきましょう。
| 工程 | 内容 |
|---|---|
| 1. 専門家への相談 | 仲介会社に承継の希望条件を伝える |
| 2. 秘密保持契約の締結 | 買い手候補と売り手側の双方がNDAを結ぶ |
| 3. マッチング | 仲介会社が候補を絞り込み、概要書を開示する |
| 4. 面談・見学(内見) | 売り手側と対面し、クリニックを実際に見学する |
| 5. 条件交渉・基本合意 | 譲渡価格や引き継ぎ条件を話し合い合意する |
| 6. 買収監査(DD) | 税理士・弁護士等が財務・法務・労務を詳細調査する |
| 7. 最終契約・引き継ぎ | 契約締結後、保健所届出や診療引き継ぎを行う |
内見は「面談・見学」の段階にあたり、買収監査(DD)の前に行われます。まずは内見で「現場の実態」を確認し、問題がなければ買収監査(DD)で財務諸表や契約書などを詳細にチェックする流れです。
関連記事:クリニックや医院を承継開業するには?想定スケジュールと成功させるポイント
【項目別】クリニックの内見時に確認すべきポイント

内見で見るべき項目は大きく「設備」「動線」「スタッフ」「周辺環境」の4つに分類できます。それぞれの項目別に、確認すべきポイントを把握しておきましょう。
設備に関すること
設備の状態は、承継後に必要となる追加投資の金額に影響します。内見の段階では精密な資産査定までは行いませんが、目視で確認できる老朽化の程度や、承継直後に出費が発生しそうな箇所を把握しておくことが重要です。
医療機器
医療機器の確認では「何があるか」だけでなく「あとどれくらい使えるか」を意識してチェックしましょう。内見時には固定資産台帳(DD段階で精査される書類)との照合はできませんが、確認しておきたいのは以下の点です。
- 主要機器の型番と製造年が外装に記載されているか
- 外装の傷み・錆・異音など、劣化や不具合の兆候がないか
- 複数台ある機器のうち、使われていない(カバーがかかっている等)ものはないか
メーカーの修理・部品供給サポートには期限があります。たとえば導入から10年以上経過した機器ではサポート終了時期が近づいている可能性もあり、承継直後に数百万〜数千万円の買い替え費用が発生するかもしれません。
予想外の出費を抑えるためにも、医療機器はしっかりと確認しておきましょう。
電子カルテ・レセコン
承継先のシステムによっては、電子カルテやレセコンの導入・入れ替え費用が発生します。内見時に以下を確認しておきましょう。
| 確認項目 | 見るべき理由 |
|---|---|
| 電子カルテの導入有無 | 未導入なら承継後に新規導入コストが発生する |
| 製品名・バージョン | サポート終了時期や更新費用の見積もりに必要 |
| レセコンとの連携形態 | 一体型か単体か。単体型でバージョンが古い場合は、入れ替えが必要になる可能性がある |
| 端末の台数と設置場所 | 承継後に診察室を増やす場合、ライセンス追加費用がかかる |
なお、政府も2030年度を目途に電子カルテの標準化を進めており、今後は「電子カルテ情報共有サービス」への対応も広がっていく見込みです。
紙カルテのクリニックを承継する場合は、電子カルテ導入の費用も想定しておきましょう。
関連記事:医療法人における医療DX導入の完全ガイド!導入事例や注意点も徹底解説
インフラの状態
建物の電気・空調・給排水といったインフラは、診療の質と安全に直結します。
内見時には以下を目視確認します。
- 電気容量:分電盤のブレーカー数や配線の状態を確認する。医療機器やIT機器は消費電力が大きく、コンセントの数や位置が診療スタイルに合っているか見ておく
- 空調設備:室外機の設置場所と台数、各部屋の空調が独立制御できるかどうか
- 給排水:水回りの老朽化(水漏れ痕や配管の錆び)、処置室の手洗い設備の位置
テナント物件の場合、電気容量の増設にはビルオーナーの許可が必要です。内見時に分電盤の状態などを確認し、必要に応じて電気容量に余裕があるか専門業者等に確認しましょう。
動線に関すること
動線は診療効率と患者満足度の両方に影響します。図面だけではわからない「実際の動線」を確認しておきましょう。
患者の動線
受付から待合室、診察室、処置室、会計までの流れを、患者の立場になりながら実際に歩いてみます。
【確認ポイント】
- 案内表示がなくても迷わずたどれるか
- 待合室から診察室への移動時に、他の患者やスタッフとのすれ違いが診療の妨げにならないか
- 診療科目に応じたプライバシーが確保されているか(心療内科・婦人科など)
- 発熱外来や感染症対応の分離動線が設けられているか
受付でのスムーズな案内、会計までのわかりやすい誘導は、患者の待ち時間のストレスを左右します。承継後にレイアウト変更を行う場合は内装工事費が発生するため、現状の動線の使い勝手を内見時に確認しておきましょう。
関連記事:クリニックの内装のポイントとは?工程や費用、注意点を解説
スタッフの動線
スタッフが日常的に行き来する経路も確認します。
【確認ポイント】
- 受付・処置室・カルテ庫・スタッフルーム間の移動距離
- 患者の動線と交錯しない『裏動線』が確保されているか
- 受付スタッフが診察室の様子を把握できるか(声掛けや連携のしやすさ)
スタッフ動線が非効率だと無駄な移動が積み重なり、スタッフの疲労やストレスも増えがちです。より良い職場環境づくりのためにも、スタッフ動線は重要です。
物品の動線
動線というと『人』の移動に目が向きがちですが、医院では『物品』の動線も重要です。
【確認ポイント】
- 紙カルテを運用している場合:カルテ保管場所から診察室への運搬経路
- 医薬品・消耗品:搬入口から保管庫、使用場所への流れ
- 医療廃棄物:患者の目に触れることなく搬出できるか
たとえば医療廃棄物の搬出が患者の目に入るようなレイアウトは、衛生面でも、患者の心理面でもよくありません。とくに「ゴミの搬出経路」は確認しておきましょう。
スタッフに関すること
スタッフの離職は、患者離れにつながる可能性があります。内見では患者対応の質、院内の人間関係、売り手側院長の人柄を確認しましょう。
スタッフの患者対応
診療時間中に内見できる場合は、スタッフの患者対応も観察しましょう。
【確認ポイント】
- 受付スタッフの声かけや表情
- 看護師の処置や案内の手際
- 患者数に対するスタッフの人数バランス
対応の質は、スタッフ教育や院内の運営体制を判断する材料の一つになります。承継後も円滑に業務が回る可能性は高いでしょう。
一方、スタッフによって患者対応にばらつきがある場合、スタッフによって患者対応にばらつきがある場合は、教育体制や業務マニュアルの整備状況について確認しておくとよいでしょう。承継後にスタッフ教育から始める必要があるかどうかの判断材料になります。
クリニック内の人間関係
売り手側の院長と一緒に院内を回る際には、スタッフ同士の関係性にも注目しましょう。
【確認ポイント】
- スタッフ同士の声かけや連携に緊張感がないか
- 院長がスタッフに話しかけたときの反応は自然か
- 特定のスタッフだけが孤立していないか
スタッフ間の関係性に問題がある場合、承継後の離職リスクにもつながる可能性があります。承継前に見極めておきましょう。
院長の人柄や診療への想い
内見は売り手側の院長と直接会う機会でもあります。
【確認ポイント】
- どのような診療方針でこのクリニックを築いてきたのか
- 地域の患者に対してどのような想いを持っているか
- なぜ売却(承継)を決断したのか
仲介会社経由の資料だけではわからない、院長の人柄や診療への想いが見えてきます。わたしたちの承継事例においても、院長同士の理念の一致がきっかけで承継が成立した事例も数多くあります。
周辺環境に関すること
建物の中だけでなく、外に出て周辺環境も確認しておきましょう。承継後の集患力はクリニック単体の力だけでなく、立地や周辺環境にも左右されるためです。
診療圏と競合クリニックの状況
内見時にはクリニック周辺を実際に歩いて、下記の項目をチェックしましょう。
【確認ポイント】
- 住宅街か商業エリアか、住民の年齢層はどうか
- マンション建設が進んでいるか、逆に空き家が目立つか
- 同じ診療科のクリニックが近隣にどの程度あるのか
データ上の診療圏調査も重要ですが、内見当日に「実際に歩く」ことで初めてわかる情報もあります。たとえば高齢者が多いエリアでは内科や整形外科、ファミリー層が多い地域では小児科などの需要を検討する際の参考になります。
関連記事:診療圏調査の手順や注意点・簡易診断できるサービス紹介
調剤薬局との関係性
院外処方のクリニックでは、近隣の薬局の状況も確認しておきましょう。
【確認ポイント】
- 最寄りの薬局までの距離(高齢の患者が歩いて行けるか)
- 周辺に薬局が複数あるか、1つだけか
調剤薬局は院長の処方傾向に合わせて在庫を揃えています。承継で院長が変われば処方も変わるため、在庫の切り替えに時間がかかる場合もあります。
売り手側の院長に「普段どの薬局に案内しているか」を聞いておきましょう。
アクセス・駐車場・視認性
内見時にはクリニックの内部だけでなく、患者の利便性やクリニックの視認性についても確認しましょう。
【確認ポイント】
- 最寄り駅からの距離と経路
- 駐車場の台数と停めやすさ(車社会の地域ではとくに重要)
- 通りからの視認性(看板や建物の見えやすさ)
- バス停からの距離やバスの本数
承継開業は「すでに患者がついている」という強みがある一方、立地条件によっては、新規患者の獲得に苦戦する可能性があります。とくにテナントビルの医院では、通りからの視認性が集患に大きく影響する要素です。
関連記事:クリニック開業時の立地・物件の選び方
内見時に気になるポイントが見つかった場合の手順
内見では気になるポイントがたくさん出てきます。内見時に見つかった疑問は、内容によって売り手側の院長に聞く、もしくはM&Aの仲介会社に質問をしましょう。
内見後のトップ面談で質問をする
トップ面談(売り手側院長との面談)は、内見の前後どちらかに実施されます。
面談では、概要書や書類には書かれていない情報を直接質問できます。
- 患者の年齢層や来院が多い時間帯
- スタッフの能力やシフトの組み方
- 設備の使い勝手や修繕の履歴
ただし「設備や内装への感想」は売り手側の心象に影響しやすいので控えましょう。気になった点はメモに残しておいて、仲介会社を通じて確認するのが無難です。
関連記事:医院継承(M&A)のトップ面談とは?スムーズな承継を実現するポイントを解説
仲介会社に相談をする
内見や面談で出てきた疑問のうち、専門知識が必要なものは仲介会社を通じて専門家に確認しましょう。
| 内見で気になったこと | 相談先 |
|---|---|
| 医療機器や内装が古く、修繕・入替の費用がわからない | 建築士・医療機器の専門業者 |
| 動線やレイアウトを変えたいが、テナント契約で改装できるかわからない | 弁護士・仲介担当者 |
| 概要書の患者数・売上と、現場の印象にズレがある | 税理士・公認会計士 |
| スタッフの働き方や雰囲気から、雇用条件に不安がある | 社会保険労務士 |
内見は「現場を自分の目で見て、疑問を洗い出す」段階です。気になった点を仲介会社に伝えておけば、後の買収監査(デューデリジェンス)で重点的に調べてもらえます。
関連記事:医業承継(医院継承)における買収監査(デューデリジェンス)について
クリニックの将来性のために追加で調べるべきこと
クリニックの将来性は、テナント契約の条件や診療時間、集患方法によって大きく変わります。内見だけではわからないポイントも確認しておきましょう。
テナントの場合はオーナーとの契約状況の確認
承継先がテナント物件の場合、ビルオーナーとの賃貸借契約を確認しておきましょう。改装の可否や契約期間など、承継後に影響する条件が含まれているためです。
【確認ポイント】
- 残りの契約期間と普通借家か定期借家か
- 内装変更や改装にオーナーの許可が必要かどうか
- 退去時にどこまで元の状態に戻す必要があるか
- 契約更新時に賃料の上がる条件が記載されているか
とくに定期借家契約の場合、満了時に退去を求められることがあります。改装にオーナーの許可が必要な契約だと、承継後にレイアウトを自由に変えられません。
クリニックの診療日・診療時間
現在の診療日と診療時間も承継後の売上に大きく影響します。
たとえば院長の身体的な理由から診療日が減っている場合、承継後に診療日を増やすだけで患者数を増やせる可能性があるからです。
診療時間帯にも経営改善のヒントがあります。地域の昼夜間人口比率を自治体の統計で調べると、住民の行動パターンがわかります。住宅街で昼間人口が少ない地域であれば、夜間や土日の診療で新規の患者が見込めるわけです。
承継予定のクリニックが行っている集患方法
承継先が行っている集患方法を確認すれば、承継後にやるべきこともわかります。
【確認ポイント】
- ホームページの有無と更新頻度
- Googleビジネスプロフィールの登録状況や口コミ対応
- 看板・チラシ等のオフライン広告
- 広告宣伝費の金額と内訳
ホームページがない、またはGoogleビジネスプロフィールを活用していないクリニックでは、承継後にWeb上の情報発信を整備することで、新規患者の獲得につながる可能性があります。すでに広告費をある程度かけている場合は、広告費に対する新規患者数を確認しましょう。
財務・法務・労務に関すること
医院継承では、承継スキームによっては、クリニックの負債や契約関係、スタッフの雇用関係などが買い手側に引き継がれることがあります。問題を抱えたまま承継すると先生の負担になるため、承継前に買収監査(デューデリジェンス)で専門家が調査します。
調査される主な分野と内容は次のとおりです。
- 財務:過去3〜5年の損益計算書・貸借対照表、税務申告書
- 法務:賃貸借契約書、リース契約書、訴訟・紛争の有無
- 労務:スタッフの雇用契約、社会保険加入状況、未払残業代の有無
- 事業:患者数の推移、保険診療と自由診療の割合、地域の競合状況
とくに注意すべきは簿外債務と未払残業代です。簿外債務とは、帳簿に計上されていない債務のことで、承継スキームによっては買い手側がそのリスクを引き継ぐ可能性があります。未払残業代も同様で、売り手側が把握していないケースもあるので注意しなければなりません。
関連記事:医院継承のDD(デューデリジェンス)とは?種類や調査内容、費用をわかりやすく解説
スタッフの離職や患者離れの可能性
医院継承における大きなリスクは、スタッフの離職と患者離れです。
院長が変わることで「方針が合わない」と感じたスタッフが退職したり、前院長の人柄や診療スタイルを信用して通っていた患者がほかの医院へ移る場合もあります。
あらかじめ以下のポイントも調べておきましょう。
- スタッフの勤続年数と年齢構成
- 前院長と患者の関係性
- 承継後に前院長が一定期間残る引き継ぎ期間の有無
関連記事:新患率を上げるには?医院継承(医業承継)後に新患率が低下する3つの理由も解説
クリニックを内見する際の注意点
内見は売り手の院長やスタッフと初めて顔を合わせる場でもあります。承継の話が漏れたり、不用意な発言で印象を悪くしたりすると、交渉が破談になりかねません。
内見当日に、買い手側の先生が気をつけるべきポイントも把握しておきましょう。
スタッフや患者に余計な不安を与えない
内見時は、スタッフや患者に対する配慮も忘れてはいけません。
承継の検討段階では、スタッフへの告知を行っていないケースも少なくありません。そのため内見の段階でも、スタッフは何も知らないケースがほとんどだからです。
内見時に普段見かけない人がクリニック内を歩いていれば、スタッフが違和感を持つ可能性があります。「クリニックに何かあるのでは」と不安を持たれると、退職を考えるきっかけになりかねません。
【事前に決めておくポイント】
- 訪問時の服装や振る舞いを仲介会社に事前に確認しておく
- 訪問人数は先生と仲介担当者の2〜3名にとどめる
- スタッフには話しかけず、質問は売り手院長か仲介会社を通す
訪問前に仲介会社へ相談すれば、当日の服装や振る舞い方をアドバイスしてもらえます。
内見中にネガティブな発言は控える
内見時「この機械はもう使い物にならないな」「レイアウトが狭いな」と思ったとしても、発言は控えましょう。
売り手の院長にとってクリニックは長年かけて育ててきた場所です。設備や内装への否定的な感想は院長の心象を悪くし、交渉が破談になるきっかけになります。
設備や立地に対する不安や疑問は、仲介会社を通じて確認しましょう。
たった1日の内見で経営状況を判断しない
内見当日の印象だけで、経営状況の良し悪しを判断するのは危険です。内見の日程はあらかじめ設定できることから、売り手側も心象を良くしようと下記のような対策ができるからです。
- 院内がきれいに片付いている → 内見に備えて普段以上に整えた可能性
- 患者が多く来ている → たまたま混雑する曜日・時間帯だった可能性
- 患者が少ない → たまたま閑散日だった可能性
経営状況の判断は、買収監査で過去3〜5年分の財務データから確認すべきことです。
内見では「数字でわからない現場の雰囲気や機材のチェック」にとどめておきましょう。
内見時に得た情報を外部に漏らさない
内見で知ったクリニックの内部情報は、秘密保持義務の対象です。
【秘密保持義務の対象となる情報の例】
- スタッフの個人情報(氏名・勤続年数など)
- 患者に関する情報
- 経営状態や設備の詳細
- 売却を検討している事実そのもの
内見で得た情報をSNSに書き込んだり知人に話したりすると、秘密保持契約(NDA)違反になります。損害賠償請求や交渉打ち切りにつながるため、情報の取り扱いには注意しましょう。
承継開業の内見に関するよくある質問
内見当日に何を持っていくのか、内見後いつまでに判断すればいいのか、そもそも内見できるクリニックをどう探すか。
これら承継開業に取り組む先生が迷いやすいポイントについて、それぞれ回答していきます。
Q1. 内見が終わった段階で「承継の判断」をする必要がありますか?
最終決断をする必要はありません。
内見は判断材料を集める場です。内見後に条件交渉や基本合意を経て、買収監査で詳細を確認したうえで最終契約に進みます。
「前向きに検討したい」「他の候補に取られたくない」という場合は、意向表明書を提出して承継への意向や希望条件を示し、売り手側との合意によって優先交渉権を設定するケースもあります。仲介会社に相談しながら進めましょう。
Q2. 内見に関して買い手候補が用意すべき書類はありますか?
買い手側が内見のために特別に用意する書類はありません。
仲介会社との秘密保持契約書や仲介契約書は、内見前に済ませておくのが一般的です。内見当日はメモ帳とスマートフォンがあれば十分です。写真撮影は事前に許可を取ってから行いましょう。
Q3. 内見できるクリニックはどこで見つけられますか?
医院継承を専門に扱う仲介会社を通じて、マッチング後に内見に進むのが一般的な流れです。
まずは仲介会社に相談し、希望条件を伝えて候補を絞り込みます。秘密保持契約を結んだうえで詳細情報の開示を受け、その後に内見へ進みます。
まとめ|クリニックの内見は承継開業の成功を左右する
承継開業のクリニック内見では設備の状態や動線、スタッフの雰囲気、周辺環境など、資料だけではわからない現場の実態を先生自身の目で確認できます。
ただし見えるのはあくまで「その日の一面」です。経営判断は買収監査(DD)による財務・法務・労務の精査が欠かせません。
とくに医療業界では、非営利性や設備要件といった業界特有の制限も多いことから、医療を専門とした仲介会社に依頼することも重要です。
私たちエムステージマネジメントソリューションズでは、承継開業の物件紹介から内見の調整、買収監査、最終契約まで、先生の承継開業を一貫してサポートしています。
先生の理想的なクリニックづくりのために、ぜひお気軽にご相談ください。
▶医院継承・医業承継(M&A)のご相談は、エムステージ医業承継サポートにお問い合わせください。
この記事の監修者

田中 宏典 <専門領域:医療経営>
株式会社エムステージマネジメントソリューションズ代表取締役。
医療経営士1級。医業承継士。
静岡県出身。幼少期をカリフォルニア州で過ごす。大学卒業後、医療機器メーカー、楽天を経て株式会社エムステージ入社。医師紹介事業部の事業部長を経て現職。
これまで、病院・診療所・介護施設等、累計70件以上の事業承継M&Aを支援。また、自社エムステージグループにおけるM&A戦略の推進にも従事している。
2025年3月にはプレジデント社より著書『“STORY”で学ぶ、M&A「医業承継」』を出版。医院承継の実務と現場知見をもとに、医療従事者・金融機関・支援機関等を対象とした講演・寄稿を多数行うとともに、ラジオ番組や各種メディアへの出演を通じた情報発信にも積極的に取り組んでいる。
医療機関の持続可能な経営と円滑な承継を支援する専門家として、幅広く活動している。
より詳しい実績は、メディア掲載・講演実績ページをご覧ください。
【免責事項】
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の取引や個別の状況に対する税務・法務・労務・行政手続き等の専門的なアドバイスを提供するものではありません。個別案件については必ず専門家にご相談ください。