クリニックの集患力アップ!効果的な対策17選

クリニック経営の安定化には、良質な医療提供に加えて集患・増患対策が重要です。

本記事では、クリニックの集患・増患に効果的な手法を17種類ご紹介します。主な対策として、ホームページやSNSなどのインターネットツールの活用、施設の整備、患者満足度向上、地域広告、講演会参加などが挙げられます。小さな施策から始め、PDCAサイクルを回して改善することが大切です。

クリニック経営の安定化は、集患に対する意識がポイント

集患に悩むクリニック経営者は少なくありません。たとえば、以下のような悩みです。

  • クリニックを経営しているが、なかなか増患できず、収益が不安定である
  • クリニックの開業を予定しているが、十分に集患できるか心配だ
  • 近い将来、クリニックの拡張や増院を検討しているので、売上を伸ばさなければならない
  • 近所に競合のクリニックが増えて、患者が減った

このような悩みを解決するには、まず「集患・増患をする」という目標を明確に定め、そのための具体的な対策を講じる必要があります。

まず、クリニックが講じることのできる集患対策は、4つの領域に分かれていることを確認しましょう。どれか1つではなく、総合的に取り組むことが大切です。

  1. インターネットのツールを活用して集患する
  2. インターネット以外の媒体を活用して集患する
  3. 施設、設備の整備で集患する
  4. 患者満足度の向上で集患する

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インターネットのツールを活用して集患する

現在のクリニック集患において、ホームページやSNSなど、オンラインツールの活用は欠かすことができません。

1. ホームページを作成する

現代のクリニックの集患施策において、ホームページ作成は必須です。患者はインターネットで通えるクリニックを調べ、選択します。ホームページがないクリニックでは患者の信頼度が大きく下がります。

ホームページには、院長の理念や診療方針、診療科目、診療時間、予約の可否、主な設備など、患者が知りたい情報を過不足なく掲載します。

注意点は、医療広告ガイドラインに準じて作成する必要があることです。たとえば「他クリニックと比較して自院が優れている」内容を含む広告は、優良誤認として罰則対象となる恐れがあります。ホームページを作成する際には、医療広告ガイドラインの内容に十分注意しましょう。

2. スマートフォン対応のホームページを作成する

これから新しくホームページを作成する場合は、スマートフォン(以下スマホ)での閲覧用ページ必ず作成しましょう。クリニックを調べる際は、パソコンよりもスマホで検索をする患者の方が圧倒的に多いため、集患に大きく影響します。

パソコンとスマホとでは、画面や文字の大きさなどが異なるため、スマホの専用ページを作り、パソコン用よりもスマホ用ページを優先して作ることが大切です。

もし、昔に作成したホームページがスマホでの閲覧に対応していない場合は、スマホ対応のページにリニューアルしましょう。

3. ホームページのSEO対策

患者は、検索サイトで「地域名+診療科目」「駅名+診療科目」などのキーワードで検索し、上に表示されているページから優先的に見ていきます。なるべく上位に表示されるように対策を講じることを「SEO対策」といいます。

SEOは「Search Engine Optimization」の略で、日本語では「検索エンジン最適化」と訳されます。SEO対策の手法は日々変化しており、これをすれば完璧という方法はありません。しかし、基本情報以外にユーザーの役に立つ健康情報などを発信して読者の数が増えると、検索エンジンは重要度が高いホームページだと判断して、上位に表示される可能性が高くなります。

ただし、情報はオリジナルであることが大切です。コピーした内容だと、かえって評価が下がってしまうため注意しましょう。

4. MEO対策

スマホで検索をする患者は、Googleマップなどの地図で、現在地に近いクリニックを探すこともよくあります。そこで、マップ上の検索結果で上位に表示されるようにするのが、「MEO」(Map Engine Optimization)対策です。

たとえば「品川区 クリニック」と検索した際、Google マップと一緒に自院の名前が上位表示されるようにすることです。併せて「Googleビジネスプロフィール」に登録することもオススメです。

登録をすると、マップ上に患者が登録した口コミが表示されたり、営業時間や電話番号等の情報を発信したりすることも可能になります。

SEO・MEO対策における注意点

なお、以前は「裏ワザ」のようなSEO対策やMEO対策の手法がありましたが、現在はそのような手法は通用しなくなっています。

それにもかかわらず、電話営業などで特効薬のような方法があると言って高額な費用を請求する悪質業者も存在しているので、十分注意してください。

経験豊富なホームページ作成業者であれば、SEOやMEOを意識したページ作成をしてくれますので、ホームページ作成の段階で相談するのが良いでしょう。

また、クリニックや病院の経営者仲間、あるいは他業種で会社を経営している知人などがいれば、そのホームページ制作会社を紹介してもらうと良いでしょう。

5. SNSの活用

SNSとは、X(旧ツイッター)、Instagram、Facebook、YouTube、TikTokなどのことです。

現在では、多くの患者がクリニックを選ぶ際、SNSの情報を参考にしています。クリニックを経営する院長自身が、SNS上で専門分野に特化した情報発信を行うことも、集患に良い効果をもたらすでしょう。

たとえば、精神科医がうつ病に関する情報発信をしていくとします。YouTubeを活用するのであれば、医師が「うつ病との向き合い方」について動画を配信するのです。X(旧ツイッター)であれば、1日に1投稿、うつ病に関する有益な情報を発信するというのも良いでしょう。

なお、情報発信といっても、「今日のランチはこれでした」など医療と関係のない情報を発信しても、集患にはまったく効果はありませんので、患者にとって有益な医療情報を発信するよう心掛けましょう。(これはホームページでも同様です。)

ただし、医療法上の問題から、SNSで個別の医療相談を受けることはできませんので、その点も注意が必要です。また、不用意な発言でいわゆる「炎上」状態になると逆効果となりますので、言葉遣いなど表現には十分に留意しましょう。

6. リスティング広告の活用

リスティング広告とは、特定のキーワードを登録しておくことで、そのキーワードで検索されたとき、検索結果画面内に自身のページが表示される広告のことです。

たとえば、「地域名+診療科」などのキーワードで検索された場合、検索結果画面で上から3番目程度までの上位に表示させる、といった設定が可能です。

ただし、純粋な検索結果とは異なり、広告料がかかります。広告料はキーワードによって異なっており、どのようなキーワードを設定すると効率的に広告が出せるのかという運用ノウハウが必要となります。

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インターネット以外の媒体を活用して集患する

インターネットで情報を集めるのが中心の時代とはいえ、以前からある伝統的な媒体で集患施策を講じる方が有効な場合もあります。とくに、比較的高齢の患者を増やしたい場合は、インターネット以外のツールも活用しましょう。

7. 雑誌など(タウンページやタウン誌)に出稿する

地域のタウンページやタウン誌、あるいは地方新聞などに広告を掲載したり、全国紙に地域限定の折り込み広告を出したりします。

インターネット媒体よりも紙媒体の信頼性が高いと感じる患者もまだ一定数存在し、高齢の患者の中にはインターネットはほとんど見ない方もいるため、紙媒体での広告も欠かせません。

8. ポスティングを活用してクリニックのチラシを配布する

上記のような広告よりも多くの情報を掲載することが可能で、より自院の特徴をアピールできるのが、チラシやパンフレットのポスティングです。クリニックの特色や診療内容を盛り込んだチラシの作成や配付を検討する場合は、専門のポスティング会社に委託すると良いでしょう。

9. 街中での看板、広告設置

クリニック周辺の駅や建物、バス・電車内などの広告です。雑誌などへの出稿と同様に時代にそぐわないと思えるかもしれませんが、一定の効果はあります。

集患の基礎として、住民の健康状態が良いときから常にクリニック名を知られている状態を作ることが大切です。症状が出た時に、名前を思い出してもらうためには、普段から目に付くところに広告を出してクリニックの名前を覚えてもらうことが必要になります。

10. 講演会やイベントへの参加

院長の専門領域に特化した講演やセミナーを行うことで、クリニックの独自性を発信することにつながります。自院で主催してもいいですし、市区町村などの行政機関や商工会、商工会議所などが主催する健康セミナーなどで講師を務めてほしいといった話があれば、積極的に手を挙げましょう。

知名度を上げ、独自性を示すことで他クリニックとの差別化につながり、集患効果が得られるでしょう。

集患につながる設備の整備

施設や設備の整備が、集患につながる面もあります。これらを整備するには、一定の費用はかかりますが、効果的な投資をすれば、増患により収益が増加すれば長期的に回収できます。

11. 予約システムを導入する

集患・増患施策として、予約システムは有用です。導入することで以下のメリットが得られます。

  • 患者の待ち時間が減り、より多くの患者を診ることができる
  • 患者の待ち時間が減ることで、患者満足度が向上する
  • レセプト作成などの業務効率が上がり、スタッフの業務負荷軽減が見込める

時間に余裕のない社会人層を中心に、予約システムによる診療予約の可否でクリニックを選ぶ患者もいます。予約システムは、現在のクリニックではほぼ必須のものになっていますので、もし導入していなければ優先的に投資すべき設備です。

12. 順番表示システムを導入する

患者の医療機関に対する不満の上位にあるのが、待ち時間の長さです。ただでさえ体調が悪い中、あと何分待たなければいけないのかわからない状態は不安や不満を増大させます。

順番表示システムが導入されていれば「あと3人」などと待ち時間の目安がわかるので、患者の感じるストレスをある程度軽減できます。それが口コミとなれば集患にも効果を発揮しますので、診療予約システムと併せて導入するとよいでしょう。

13. 最新の医療機器を導入する

最新のシステムや医療機器が入っていると、患者からの印象が良くなります。具体的には「最新の機器で、より手厚い医療が受けられる」という印象を抱きやすくなり、新規患者の集患やリピート患者の増加にもつながります。

とくに、美容皮膚科を受診する患者はよくリサーチをしており、医療機器についてもある程度の知識を持っていることも少なくありません。

投資額は相応に必要となりますが、自由診療が中心のクリニックである場合は、最新の医療機器を導入することも検討しましょう。

14. トイレや待合室、診察室等の整備

基本ですが、コロナ禍以降は3密回避を意識したクリニックが選ばれるようになりました。

広々とした待合室やコロナ感染防止のための仕切り、清潔感のある診察室、換気施設などの設備が整っていると、クリニックの評判が良くなり集患効果が期待されます。もちろん、常に清潔にして気持ち良く利用できるようにしておくことはいうまでもありません。

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患者満足度向上をベースとした集患施策

クリニックは、医療サービスを提供するサービス業だといえます。

したがって、最も重要かつ本質的な集患施策は、サービスを向上させ、患者の満足度を上げることです。いくら他の面を整えても、肝心の診療やスタッフの対応の質が低いために患者が不満を持てば、長期的に患者を増やすことは困難です。

一方で、患者の満足度が高ければリピートで来院してくれますし、口コミで新規の患者も増えていきます。

15. 医師の丁寧な対応

医師が患者に対して、親身な対応を行うことが当然ですが、とくに意識すべきポイントは「患者の話をしっかり聞く」ということです。

医師が思っている以上に、患者は医師に対し相談をしたがっています。つまり、話を聞いてほしいということです。もちろん時間は限られますが、「悩みや不安をきちんと聞いてくれる先生」という評判が得られるだけで、集患につながることが多いのです。

16. 受付スタッフの対応

口コミサイトなどで評価の低いクリニックは、必ずといっていいほど受付の対応への不満が多く記載されています。受付によって、クリニックの評判は良くも悪くもなります。

いかに優れた診療ができたとしても、受付の対応が悪くて悪評が立てば、増患は望めません。受付のスタッフには「サービス業」であることを強く意識してもらい、患者が気持ち良く受診できる対応を徹底させなければなりません。

しかし、現場に任せきりではなかなか実現できないものです。そのため、院長が自ら丁寧に指導することがポイントとなります。診察中で受付の対応を見ることが難しい場合には、患者満足度アンケートを実施して患者の声を聞くといった方法も検討しましょう。

17. 近隣の医療機関との連携

他の医療機関との連携も、集患につながります。

連携ができていると、クリニックが「かかりつけ医」として最初の医療の窓口としての役割を担い、必要な場合には大規模な病院に紹介して専門的な治療を行います。その治療が終われば、再度「かかりつけ医」が診療を担当するというサイクルを作ることができます。

このように病状に合わせて適切な医療施設へ紹介し合うことは、集患や増患にもつながるでしょう。

まとめ

クリニックの集患・増患施策にはさまざまな側面がありますが、ポイントはどれか1つではなく、総合的に対策をする必要があることです。

その際は、すべて一度に取り組もうとするのではなく、小さな施策を素早く実施し、問題があれば考え直すPDCAを意識しましょう。ぜひ、取り組めそうなものから着手してみてください。

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この記事の監修者

田中 宏典 <専門領域:医療経営>

株式会社エムステージマネジメントソリューションズ代表取締役。医療経営士1級。医業承継士。医療機器メーカー、楽天を経て株式会社エムステージ入社。医師紹介事業部の事業部長を経て現職。これまで、病院2件、診療所30件、介護施設2件の事業承継M&Aをサポートしてきた。エムステージグループ内のM&A戦略も推進している。

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