病院M&Aにおける「のれん」とは?営業権との違い・算出方法

契約関連 2022/06/30

「のれん」は、事業承継やM&Aの中でもよく使われる会計用語です。
病院のM&A(医業承継)で登場するのれんにはどのような意味があるのでしょうか。
本記事では、のれんの意味や営業権との違い、のれん代の算出方法などを紹介します。

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会計用語「のれん」とは?由来・営業権との違い

会計用語「のれん」の由来

のれんという言葉は、その名の通り飲食店等の店先にかかっている「暖簾(のれん)」が由来といわれており、貸借対照表における勘定科目のひとつです。

よって、のれんはそのお店の屋号をはじめとした象徴であると同時に、信用力やブランド力を表す看板ともいえます。

病院M&Aで使われる「のれん」という言葉も、病院・クリニックが積み重ねてきた信頼やブランド力、収益力などといった、目には見えない無形の資産を表しています。

病院M&Aにおけるのれんと営業権

のれんとは、会計基準で定義された用語であり、具体的には譲渡対象の病院・クリニックの時価(純資産)と実際の買収価格の差額です。

のれんと似た意味を持つ用語として、「営業権」があります。この2つはほぼ同じ意味を持ちますが、厳密にいうと譲渡価格の考え方において違いがあります。

のれん代の考え方と算出

のれん代は、建物など有形物の価値の他に、ブランド力やいわゆる「稼ぐ力(経済的能力)」を表したものであります。

また、のれん代は最終的な譲渡価格(M&A総額)から純資産を減算することで算出することができます。

まずは、譲渡対象の病院やクリニックの総合的な価値を評価し、譲渡価格を算出。その譲渡価格から譲渡対象の病院やクリニックの純資産を引くことによって、のれん代を算出することができます。

■のれん代=譲渡価格ー譲渡対象の純資産(時価)

営業権の考え方と算出

営業権は、譲渡対象の病院・クリニックの純資産に価値を加算するという考え方をします。

■営業権+譲渡対象の純資産=譲渡価格

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のれん代の算出時に考慮すべき調整項目

のれん代の算出時に考慮される調整項目

営業利益をベースにのれん代を計算する場合でも、損益計算書にある営業利益をそのまま使うことはあまりなく、実際には以下の調整項目が考慮されるのが一般的です。

  • 調整項目①:交際費や大規模修繕費など、経常的な収入や費用
  • 調整項目②:病院やクリニック経営以外のプライベートに関する費用
  • 調整項目③:役員・家族への報酬

また、のれんの算出時には3~5年間の営業利益をもとに算出されるケースが多いです。
たとえ営業利益の金額が同じ病院やクリニックであっても、上記の調整項目を加味した結果、のれん代算出の基礎となる正常収益力が異なる場合があります。

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まとめ

医療版M&Aである医業承継で使われるのれんについて、おおよそのイメージをつかんでいただけたのではないでしょうか。

のれん代の算出にはさまざまな要素が絡み合ってくるため、専門的な知識や経験が必要とされます。

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