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親族内承継を検討されている方へ
このようなお悩み・ご希望はありませんか?

承継や制度の相談に不安を感じている

顧問税理士が医療専門ではないため、承継や制度の相談に不安を感じている。

相続税が高額になりそう

相続税が高額になりそうで、納税資金の確保や対策方法を早めに知っておきたい。

要件を満たすかを確認したい

認定医療法人制度を活用できるかどうか、自院が要件を満たすかを確認したい。

判断材料がほしい

家族内承継と第三者承継のどちらが適しているか、客観的な判断材料がほしい。

親族内承継とは?

親族内承継とは、医院や医療法人を子どもや配偶者などの親族に引き継ぐことで、医院を次の世代へと継続させる承継方法です。
長年築き上げてきた患者との信頼関係や地域医療への貢献を守りながら、理念・診療方針・スタッフ体制などを自然な形で引き継ぐことができます。

一方で、親族間といえども単なる「家族間の引き継ぎ」では済みません。
相続税・贈与税の負担、持分あり医療法人の評価、行政手続き、定款変更など、法務・税務・行政が複雑に絡み合います。
そのため、親族内承継は家族の想いを尊重しながら、税務・法務・経営の3領域を総合的に設計するプロセスとして捉えることが大切です。

早めの計画と専門家の伴走が、家族の安心と医院の未来を守る鍵となります。

家族に医院を引き継ぐという選択

家族に医院を引き継ぐという選択

後継者が身近にいる場合、「家族に医院を託す」という選択は最も自然な形です。
地域の信頼関係を維持し、スタッフの雇用を守りながら、医療理念をそのまま次世代へ受け継ぐことができます。
ただし、相続税の負担や法人形態の見直し、行政への届出など、実現までには多くの専門的な課題が生じます。
承継準備には時間を要するため、早めに方向性を定め、税理士・行政書士など専門家と連携して進めることが重要です。
小さな準備の積み重ねが、家族の安心と医院の継続を支える第一歩となります。

第三者承継が増える中で、なお家族に託す理由

第三者承継が増える中で、
なお家族に託す理由

近年は第三者承継(M&A)が増加し、医療機関の承継形態も多様化しています。それでもなお、「医院をできる限り家族に残したい」と願う先生は少なくありません。そこには、地域医療への責任感や、長年支えてくれた職員・患者への想いがあります。エムステージは、そうした先生方の想いを尊重し、現実的な課題解決と制度活用の両面から親族内承継の成功を支援しています。理念を受け継ぎ、医院を未来へつなぐための「現実的で安心できる承継のかたち」を、私たちはともに設計します。

親族内承継の流れと
準備のポイント

親族内承継は、「家族だからこそスムーズに進む」と思われがちですが、
実際には相続・贈与・法人運営・行政手続きなど、多方面にわたる準備が必要です。
特に医療法人の場合は、定款・理事構成・出資持分などの見直しが求められるケースも多く、慎重な対応が欠かせません。
主な流れは次の5ステップです。

STEP.1
状況把握
医院の財務状況・資産・
負債の整理
STEPの矢印
STEP.2
承継スキーム設計
財務状況を基に、
相続・贈与方法を検討
STEPの矢印
STEP.3
税務・法務の整理
相続税・出資持分・
登記などの確認
STEPの矢印
STEP.4
行政手続き
保健所・都道府県への
承継届出
STEPの矢印
STEP.5
承継後の 経営体制構築
新理事長・
新院長体制の準備

特に税務面は税理士との連携が欠かせません。
事前に、純資産の評価額、相続税額を把握することが、承継準備の第一歩です。

親族内承継における医療法人と個人開業の違い

医院の承継とひとことで言っても、「個人開業」と「医療法人」では手続きの性質が大きく異なります。
それぞれの特徴と留意点を理解しておくことで、後々のトラブルや手戻りを防ぐことができます。

医療法人の承継

持分あり 「出資持分の承継」扱い

医療法人のうち「持分あり医療法人」は、設立時に出資した医師個人が法人の持分(出資金)を保有しています。この出資持分は財産として相続税の課税対象となるため、承継時には相続税が発生します。法人の内部留保などの純資産が増えるほど、出資持分の評価額が上昇し、結果として相続税の負担も重くなります。また、出資持分の名義を変更したり、生前に贈与したりする場合にも、贈与税が発生するリスクがあります。

このように、持分あり医療法人の承継には税務・法務・行政が複雑に関わるため、慎重な準備が必要です。出資持分の評価を早期に行い、認定医療法人制度による非課税移行を含めて検討することが重要です。そのうえで、贈与・相続・法人形態の移行など複数の方法を比較し、最適な承継スキームを専門家とともに選定することが求められます。

持分なし 「法人としての継続」扱い

「持分なし医療法人」では、出資持分という概念が存在しません。そのため、相続税の課税対象となる出資金がなく、承継時に相続税が発生しないのが大きな特徴です。

この形態では、承継手続きの中心は出資の移転ではなく、理事会を軸とした法人運営上の承継にあります。具体的には、理事長の変更届出や理事構成の見直し、定款の変更といった行政手続きが主な流れとなります。医療提供体制そのものは維持されるため、資産や権利の移転に伴う税務上の負担も発生しません。また、「特定医療法人」や「社会医療法人」もこの持分なし医療法人の枠組みに含まれ、いずれも公益性を重視した運営が求められています。

個人開業医の承継

「廃業+新規開設」扱い

個人名義で診療所を開設している場合、開設者が変わると法律上は「廃業」と「新規開設」として扱われます。たとえ親子間であっても、医療機関コードや保険医療機関の指定は引き継がれません。
そのため、承継を行う際には、新開設者(後継者)による保健所・厚生局への開設申請、医療機器・建物などの譲渡契約書の作成、保険医療機関再指定までの調整期間(診療空白対策)といった手続きが必要です。

設備や患者情報は引き継げても、行政上は新設扱いとなるため、承継スケジュールを慎重に設計しないと、保険診療が一時的に停止してしまう可能性があります。個人開業の場合は、事業継続性や税務の透明性の観点から、将来的な医療法人化を検討するケースも増えています。

親族内承継で発生する主な課題3点

親族内で医院を承継する場合、「家族間だからスムーズに進む」と考えがちですが、
実際には税務・財務・法務の3つの観点から、見落とされやすい課題が多く存在します。
特に医療法人の場合は、出資持分や固定資産の評価が相続税額に直結するため、
正確な現状把握と早期の対策が重要です。

課題1

固定資産が多いと
相続税納税が大きな負担に

医療法人の多くは、医院用地・建物・医療機器・駐車場などの固定資産を多く保有しています。
これらの資産は、貸借対照表上の純資産を押し上げるため、結果として出資持分の評価額(=相続税額)も上昇する構造になっています。
一方で、土地や建物はすぐに現金化できないため、いざ相続税を支払う段階で手元資金が足りなくなるケースが目立ちます。

その結果、医院経営を続けるための資金が圧迫され、納税のために資産を売却せざるを得なくなる、など事業継続に影響が及ぶこともあります。
こうしたリスクを防ぐには、資産評価・納税資金の準備・承継スキームの見直しを早い段階で進めておくことが不可欠です。

課題2

持分あり医療法人の
「出資持分」が相続税の対象になる

「持分あり医療法人」では、医師個人が法人の一部を出資金として保有しており、その出資持分が相続時に財産として課税対象となります。
法人の純資産(現金・不動産・設備など)が増加していると、その分だけ出資持分の評価額も上昇し、結果として相続税の負担が非常に重くなることがあります。

たとえば、長年にわたって蓄積された内部留保や不動産価値の上昇が、出資持分の評価額を引き上げる要因になるケースも少なくありません。
こうした状況を放置したまま承継を迎えると、納税資金を確保できず法人経営が圧迫される可能性もあります。

課題3

「出資持分」を放棄したいが
贈与税の対象になる

「持分あり医療法人」の出資者が、将来の承継や税負担を見据えて出資持分を放棄したいと考えるケースは少なくありません。
しかし、厚生労働省の認定医療法人制度を経由せずに持分を放棄すると、思わぬ税務上の問題が生じます。

出資持分を放棄するという行為は、法的には医療法人に対して自分の財産を無償で譲り渡すことにあたり、医療法人が個人から贈与を受けたとみなされるためです。

納税資金の確保が難しい場合の2つの選択肢

親族内承継を検討する中で、最も大きな壁のひとつが「相続税の支払い資金」です。
持分あり医療法人では、法人が保有する資産の評価額が高くなるほど、
相続税の負担が重くなり、納税資金の確保が困難になるケースが多く見られます。
特に、土地・建物・医療機器などの固定資産が多く現金が少ない法人では、
資産を売却しない限り納税できない、という状況に陥ることもあります。
ここでは、そうした場合に検討できる2つの方向性を紹介します。

固定資産が多い場合は第三者承継も視野に

認定を受けた医療法人では、出資者が自らの出資持分を放棄し、「持分なし医療法人」へ移行する際、その行為を贈与や相続とみなさず、課税対象外として扱う特例が適用されます。
これは、医療法人を私的財産としてではなく、地域医療を担う公共的資産として扱う考え方に基づいています。

通常であれば、出資持分の放棄は「無償譲渡」として贈与税の課税対象になりますが、認定医療法人制度では、厚生労働省の定める公益性要件を満たすことで、これを課税対象から除外できます。
つまり、出資持分を放棄しても課税が発生せず、納税資金を準備する必要なく円滑な承継が可能となります。
この仕組みは、相続税負担が重く承継が困難な「持分あり医療法人」を救済するために設けられた制度です。

認定医療法人制度活用による対策

認定後も移行計画に定めた期限(最長5年)までに移行を完了させ、さらに移行後も6年間にわたり認定要件を継続して満たし続けることが義務付けられ、これらに違反した場合のみなし贈与税の遡及課税や、一度「持分なし医療法人」に移行すると元に戻せない不可逆性があるため、節税目的だけでなく、経営方針や後継者の意向も踏まえ、税理士等の専門家と連携して慎重に判断すべきです。

自院の財務状況と承継方針を整理し、
認定医療法人制度の活用可否を検討することが、承継準備の第一歩です。

親族内承継を相談する

「認定医療法人制度」とは?制度の概要

「認定医療法人制度」とは、医療法人の永続的な運営と地域医療の安定を目的として厚生労働省が設けた制度です。
厚生労働大臣の認定を受けて「持分なし医療法人」へ移行することで、出資持分の放棄に伴う贈与税の課税が非課税扱いとなります。
この制度は、相続税負担が重く承継が困難な「持分あり医療法人」を救済し、地域医療を持続的に守る仕組みとして位置づけられています。

相続税・贈与税が猶予・免除される特例措置

相続税・贈与税が猶予・免除される特例措置

認定を受けた医療法人では、出資者が自らの出資持分を放棄し、「持分なし医療法人」へ移行する際、その行為を贈与や相続とみなさず、課税対象外として扱う特例が適用されます。
これは、医療法人を私的財産としてではなく、地域医療を担う公共的資産として扱う考え方に基づいています。
通常であれば、出資持分の放棄は「無償譲渡」として贈与税の課税対象になりますが、認定医療法人制度では、厚生労働大臣の定める要件を満たすことで、これを課税対象から除外できます。つまり、出資持分を放棄しても課税が発生せず、納税資金を準備する必要なく円滑な承継が可能となります。
この仕組みは、相続税負担が重く承継が困難な「持分あり医療法人」を救済するために設けられた制度です。

認定医療法人制度を活用する際の要件と注意点

認定医療法人制度を活用する際の要件と注意点

認定医療法人制度は、その申請期限が令和8年12月31日(令和11年12月31日に延長する方向で法改正が進んでいます。)までと定められた時限措置であり、主な要件として、介護保険給付等を含めた「社会保険診療等に係る収入金額」が全収入の80%を超えること、関係者等に対し特別な利益供与がないことなど公益性に関する基準を満たす必要があります。
また、認定後も移行計画に定めた期限(最長5年)までに移行を完了させ、さらに移行後も6年間にわたり認定要件を継続して満たし続けることが義務付けられ、これらに違反した場合の遡及課税や、一度「持分なし医療法人」に移行すると元に戻せない不可逆性があるため、節税目的だけでなく、経営方針や後継者の意向も踏まえ、税理士等の専門家と連携して慎重に判断すべきです。

エムステージの親族内承継支援サービス

親族内承継は、理念を受け継ぎながらも、相続・税務・行政の各手続きを丁寧に進める必要がある繊細なプロセスです。
エムステージマネジメントソリューションズでは、医療法人・個人開業の双方に対応し、
構想段階から承継完了後までを一貫してサポートします。
支援は5つのステップで進行し、税務・法務・行政の専門家が連携して最適な承継計画を設計。
既存の顧問税理士や行政書士との協働を重視しながら、
必要に応じて医療法人承継に精通した専門家がチームに加わり、スムーズで安心な承継を実現します。
ここでは、そうした場合に検討できる2つの方向性を紹介します。

親族内承継支援の流れ

オンライン無料相談

1.現状診断・課題整理

医院の資産構成、法人形態、理事構成、財務状況を把握し、相続税評価額や承継上のリスクを分析します。
この時点で「親族内承継」と「第三者承継」両方の可能性を比較検討します。

スキームご提案・
お見積り

2.承継スキームの設計

相続・贈与・持分放棄など、複数の承継パターンを提示し、最も税務・法務的に適した形を提案します。
認定医療法人制度の活用可否もこの段階で検討します。
税務上の具体的な試算や相続対策の判断は、提携税理士が担当します。

ご契約・支援開始 ※クリニック、医療法人の状況、承継スキームにより、支援内容は異なります。

3.行政・法務手続き支援

保健所・厚生局・法務局などへの届出や登記変更、理事改選、定款変更などの手続きを支援します。行政書士・司法書士と連携し、承継に伴う煩雑な実務を負担なく進められるようにします。

4.承継実行・フォローアップ

後継者への引き継ぎ、職員契約の再整備、会計・財務の新体制構築までを支援します。
承継後の経営相談や行政報告業務も継続的にサポートします。

5.長期支援・経営安定化

承継完了後も、医療法人経営支援や組織体制づくり、人事面でのフォローを継続します。
「家族への承継を、経営の安定につなげる」ことがエムステージの支援の根幹です。


※クリニック、医療法人の状況、承継スキームにより、支援内容は異なります。

認定医療法人への移行支援

持分あり医療法人をお持ちの方に対しては、認定医療法人制度を活用した移行支援を行っています。
制度の要件確認から、定款変更、申請書類の作成、行政対応までをワンストップでサポート。
支援の流れは次の通りです。

要件確認
特別利益供与や遊休財産の状況をチェック
改善支援
認定の要件に適合するように支援
認定申請
認定の申請と厚生労働省からの指摘等の対応
継続支援
認定後の運営状況を継続的にフォローアップ

認定医療法人への移行は、相続税の非課税だけでなく、医療法人としての永続性を高める大きな契機になります。
エムステージでは、制度を「単なる節税手段」ではなく、次世代に安心して医院を託すための経営改革として位置づけ、
先生とご家族に寄り添った実行支援を行っています。

親族内承継を相談する

親族内承継のよくある質問

親族内承継を検討する際に多く寄せられる疑問や不安点を、Q&A形式でわかりやすくまとめました。
相続税対策や認定医療法人の制度、家族間の合意形成など、
承継の準備を進めるうえで知っておきたいポイントを解説しています。

制度・税務・承継スキームに関する質問

A. 医療法人承継では、税務・行政・医療制度が複雑に絡むため、顧問税理士だけで対応が難しいケースもあります。エムステージの専門チームが補佐し、顧問税理士との関係を保ったまま進行可能です。税務判断や認定医療法人制度の活用など、顧問の得意分野を尊重しつつ補完支援を行います。顧問との連携体制を構築することで、承継計画の精度と実行力を高めることができます。
A. 認定医療法人への移行は、後継者が決まった時点、または資産が増え始めた段階が最適です。認定を受けると出資持分の相続・贈与が非課税になりますが、移行後6年間は要件維持が求められるため、十分な準備が必要です。出資評価・保険診療割合などを事前に整理し、制度を活用できる状態かを早めに確認することで、税負担軽減と円滑な承継を実現できます。
A. 認定医療法人制度では、保険診療割合が80%超であることが原則であり、この基準を満たさない場合は制度の対象外となるのが実情です。自費診療の割合が高い法人では、保険診療割合を引き上げるための構造的な見直しが必要ですが、現実的には容易ではありません。制度上の特例はなく、収益構成や診療体制を大きく変えない限り、認定取得は難しいと考えられます。したがって、自費診療中心の法人では他の相続税対策を検討する方が現実的です。ただし、例えば小児科の予防接種や健診、産婦人科の分娩収入のうち1分娩50万円までは認定上は保険診療扱いされ、これらの診療科の医療法人については結果的に保険診療割合が80%を超えることが多いですので、具体的なご判断は専門家にご相談の上ご確認されることをお勧めします。
A. 可能です。ほかの非課税移行制度で設けられている「理事等のうち親族は3分の1以下」とする人数制限は、認定医療法人制度では設けられていません。形式的な人数ではなく、法人運営の公益性や意思決定の透明性が重視されています。
A. 出資持分は会計上「純資産」に分類されますが、法人解散時には出資者に残余財産を返還する義務を伴うため、実質的には“債務性を帯びた純資産(擬似負債)”といわれます。このため、持分あり医療法人では、出資持分が出資者の財産=相続税の課税対象となります。法人の純資産が増えるほど評価額が上がり、相続税の負担も重くなります。現金や流動資産が少ない場合、後継者が納税資金を確保できず、事業の継続に支障をきたすケースもあります。こうしたリスクを軽減するには、認定医療法人制度の活用など、早期の制度的対策を講じることが不可欠です。
A. 出資持分を放棄した場合、その行為は原則として「贈与」とみなされるため、贈与税が課税される可能性があります。相続税は発生しませんが、課税回避の目的と判断されると、医療法人側に贈与税が課されるリスクがある点に注意が必要です。ただし、厚生労働大臣の認定を受けて「認定医療法人制度」を活用すれば、移行時の贈与税が非課税扱いとなる特例が設けられています。
A. 最大のメリットは、出資持分の贈与・相続が非課税となることです。これにより後継者の納税負担を大きく軽減できます。一方で、認定後6年間は役員給与や役員退職金の額の制限、保険診療割合など、公益性を担保する要件が課されます。節税効果と運営制約のバランスを理解し、法人の理念と経営方針に合った制度活用を検討することが求められます。
A. ケースバイケースですが一般的には半年から一年程度が目安です。社員総会承認、厚生労働省への申請といった複数段階の手続きが必要です。申請書作成や要件確認は専門性が高く、医療法人承継に精通した専門家のサポートを受けることでスムーズに進行できます。
A. 医療法人の承継では、理事長変更届や保健所・厚生局・都道府県への申請など、複数の行政手続きが必要です。届出漏れや記載不備があると、保険診療の継続や施設基準に影響する場合があります。行政書士や専門コンサルタントと連携し、提出時期・必要書類・変更登記などを正確に進めることが、トラブルを防ぎスムーズな承継を実現する鍵となります。

家族・相続・人間関係に関する質問

A. 相続と贈与の有利不利は、資産規模・時期・後継者の所得状況により異なります。生前贈与は早期に持分移転が可能で相続トラブルを防ぎやすい一方、贈与税が発生する場合があります。相続は贈与より課税時期を遅らせられますが、評価額次第で税負担が重くなる可能性があります。税理士と試算を行い、事業継続性と税務効率の両面から判断することが大切です。
A. 家族間の争いを防ぐためには、「見える化」と「明文化」が不可欠です。出資比率・役職・遺産分配の方針を文書化し、遺言書や家族会議の議事録として残しておくことで、後々の誤解を防げます。特に兄弟間承継では、医師資格の有無で役割が異なるため、あいまいな状態で放置すると長期的な対立を招くこともあります。早期に専門家を交えた話し合いが最も効果的です。
A. 承継の1〜2年前から理事や副院長として法人運営に関与するのが理想です。行政・会計・人事など経営の実務を早期に経験することで、承継後の混乱を防げます。職員や地域患者に「次の院長像」を浸透させる期間を十分に確保することも重要です。段階的に権限移譲を行うことで、自然な世代交代と信頼の継承が実現します。
A. 法的には可能ですが、実務的には避けた方が安全です。複数の相続人が出資者になると、払戻請求権が分散し、経営の停滞や対立を招く恐れがあります。医師資格を持つ1名に承継させ、他の相続人には代償分割(現金など)で調整するのが一般的です。承継後の法人運営を安定させるためにも、持分を「一元化」する設計が望まれます。
A. 医師でない配偶者でも理事になることは可能ですが、慎重な判断が必要です。家庭内の意見対立が経営に持ち込まれるリスクがあり、経営判断が感情的になりやすい点が課題です。一方で、経理・人事・総務などで日常的に経営を支えている場合は、理事として位置づけることで責任と権限を明確にできます。家庭と法人の線引きを明確にしたうえで参加形態を決めましょう。
A. 医師資格を取得していない段階でも、承継準備は進められます。親が理事長のまま法人化を行い、財務整理や定款整備を早期に進めておくことで、資格取得後の引き継ぎがスムーズになります。また、親族外理事を加えた暫定体制を整えることで、子が承継可能となるまでの法人運営も安定します。時間を味方につけた「段階的承継」が最も現実的です。

承継の選択肢・将来設計に関する質問

A. 親族内承継は理念や地域医療の継続に適しており、患者・職員との信頼関係を守りやすい一方で、相続税負担が大きくなる傾向があります。第三者承継(M&A)は、資金化による引退資金の確保や経営の継続性に優れる選択肢です。理念を残したいのか、安定した引退を優先するのかという「目的軸」で判断することが重要です。両者の比較検討を専門家と行うのが理想です。
A. 廃業には原状回復工事、医療機器の処分、職員の退職金支払いなど、想定以上のコストがかかります。特に賃貸物件では現状復帰費用が数百万円から1,000万円に及ぶこともあり、安易な廃業は大きな損失につながります。また、地域医療の空白やスタッフの雇用問題も生じます。第三者承継で譲渡益を得て円滑に引退する方が、経済的・社会的にも合理的な選択です。
A. 可能です。多くの医療法人では承継後も理事や顧問として先代が一定期間関わるケースがあります。患者・職員への信頼維持や、後継者への経営指導という面で大きなメリットがあります。ただし、権限や立場を明確にせずに二重経営状態になると混乱を招きます。期間や役割を明文化し、「緩やかな引退」として関与するのが円滑な形です。
A. まずは医院の現状を把握することが第一歩です。資産・負債・契約・職員体制などを整理し、承継可能な状態をつくりましょう。そのうえで、相続税の試算や法人形態の見直しを行えば、将来的に親族承継・第三者承継のいずれにも対応できます。後継者が決まっていなくても、早期の準備が将来の「選択肢」を広げ、医院の価値を守ることにつながります。
A. 売却の流れは、①財務・契約関係の整理、②譲渡価格の算定、③買い手候補とのマッチング、④基本合意・調査、⑤最終契約・譲渡の順に進みます。医療法人のM&Aは一般企業と異なり、診療所の継続性・職員雇用・患者対応まで考慮が必要です。エムステージでは医療承継専門チームが法務・財務・行政を一体でサポートし、安心して引退できる体制を整えています。

親族内承継は早めに試算・対策を行うことが重要です。
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親族内承継を相談する

本ページの監修者:藤澤文太税理士事務所
税理士 藤澤文太


※税務・法務上の留意事項

本ページでご紹介している税務・法務に関する内容は、制度の概要をご案内するものです。個別の事案における税務・法務上の判断や、申請書の作成、行政対応等の手続きは、提携する税理士、弁護士等の専門家が担当いたします。最終的なご判断は、必ずこれらの有資格者にご確認ください。