病院・クリニック開業時の立地・物件の選び方

売却 2022/04/08

病院・クリニックを開業する際に、立地や物件選びは慎重に行う必要があります。
本記事では、立地や物件の選び方、医療物件の形態とそれぞれのメリット・デメリットを紹介。また、居抜きや承継物件を選ぶ際の注意点を解説します。

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クリニック開業時に知っておきたい立地選びのポイント

立地選びのポイント①交通の利便性が良いこと

交通の利便性は集患に大きな影響を与えますので、最寄りのバス停や駅の場所、運行本数は要チェック。
また、近くに公共の交通機関が無い場合には、近隣駐車場の有無なども確認が必要です。

クリニックや医院までのアクセスが良ければ院長自身が通勤しやすいことに加え、スタッフの採用もしやすくなるでしょう。

立地選びのポイント②競合が少ないこと

たとえ人口やターゲット層が多いエリアでも、競合となるクリニックや医院が多ければ集患が難しくなります

インターネットなどで同じエリアにある競合となりそうな医療施設をチェックして、自院の強みと比較してどう差別化できるかを考えておきましょう。

立地選びのポイント③診療圏調査を活用する

人口総数の増減や世帯数、年齢別人口、老齢化率、産業別就業者比率、昼夜間人口比率などを診療圏調査で事前に確認し、その地域にいる人の傾向を把握することが大切です。

人口の多い地域であっても日中の時間帯に人が少なかった場合、患者数が想定より少なくなる可能性があります。自力で行うこともできますが専門業者に依頼したほうが精度は高くなるでしょう。

また、実際に現地に足を運んで、データだけでは分からない人の流れがあるかどうかもよく見ておきましょう。

クリニック開業における都心と郊外のメリット・デメリット

都心で開業するメリット・デメリット

都心で開業する場合、やはり人口の多さや立地の便利さがメリットとして挙げられるでしょう。人口の多さは集患だけでなく郊外と比べてスタッフを採用しやすいという面でもメリットとなります。開業地の近くに住む場合、プライベートでも便利さを享受できることでしょう。ただし競合が多く、しっかり集患対策をしていく必要があり、また地代家賃・人件費も高くなる傾向にあります。

郊外で開業するメリット・デメリット

郊外で開業する場合は競合が少ないことや運営コストを抑えやすい点がメリットとなります。地元で開業したい思いがある医師にとっては、思い出のある場所で地域医療に貢献していくことがなによりのモチベーションにもなるのではないでしょうか。

デメリットとしては人口が少なく今後も減少していく可能性がある点が挙げられます。スタッフの採用も難しいかもしれません。

クリニック開業時に知っておきたい物件選びのポイント

医業承継サポート‗クリニックや医院を承継開業するなら知っておきたい!物件選びで見るべきポイント_駅前立地の画像

物件選びのポイント①見つけやすい場所にある

商業施設内や建物の1階にある場合、患者から見つけてもらいやすくなります。

逆に、駅前など人通りが多い通りに面していても、建物が奥まって分かりにくい場合には、集患が難しくなってしまいます。

物件選びのポイント②建物の高さや部屋の広さ、間取りなどが診療に適している

医療モール物件の場合はこちらの条件を満たしていると考えられますが、建て貸しやテナント物件の場合には診療に適しているか確認が必要になります。

物件選びのポイント③入口およびアプローチが分かりやすい

意外と見落としがちですが、そのクリニックや医院に入るまでの経路が分かりやすいのかも重要なポイントです。アプローチが良ければ人が入りやすく、悪ければ人が入りにくくなります。

病院・クリニックの物件のタイプ

病院・クリニックを開業する際に選べる物件のタイプには、大きく分けて①戸建て物件、②ビルテナント型物件、③医療モール型物件の3つがあります。
それぞれの特長およびメリットとデメリットについて、事前に確認しておきましょう。

①戸建て物件

郊外や住宅地などに多いタイプが戸建ての物件です。
自己資金で土地を購入または借りて建物を建築し「自宅兼診療所」として開業するケースと、土地オーナーが建てた建物を借りて「建て貸し」で開業するケースがあります。

戸建て物件で病院・クリニックを開業するメリット

自分で施設を建てる場合には、外観や内装デザインなどを自由に決められます。建て貸しの場合でも、内装は比較的自由に決められる場合が多いでしょう。
土地や建物を所有している場合には、投資に無駄のない開業方法と言えます。

戸建て物件で病院・クリニックを開業するデメリット

多額の初期費用が必要となる場合や、開業準備にかかる期間が長くなってしまう場合が多いです。院外処方を考えている場合には、調剤薬局が近くにあるか、無い場合には新規開局してもらえる薬局を誘致できないか、仲介会社などに確認してみましょう。

②ビルテナント型開業物件

主に都市部等では一般的ともいえるのが、ビルテナント型物件を利用した開業です。好立地でも、戸建て物件と比べて低価格で開業することが可能な点が魅力です。

ビルテナント型物件で病院・クリニックを開業するメリット

ビルテナント型物件は駅前などの利便性の高い場所にあることが多いです。そこで開業ができれば、集患に期待ができます。また戸建て開業等に比べ、比較的低価格で開業できる場合が多いです。

ビルテナント型物件で病院・クリニックを開業するデメリット

電気や水回りの設備、ビルの管理が医療施設の運営に適していない場合があるため、クリアしている物件を探すことが難しくなります。ビルオーナー変更やビルの建て替えなどによる退去リスクがある点もデメリットです。

③医療モール型物件

複数の医療施設が入居する医療モールは開業に適した内装や設備が整えられていることが特徴です。良くも悪くも医療モール内の他の医療機関の影響を受けやすい物件といえるでしょう。

医療モール型物件で病院・クリニックを開業するメリット

複数の医療施設が集まることで、ほかの診療科目のクリニックや医院と集患の相乗効果が生まれることに期待できます。
トイレや駐車場はほかの医療施設と共用できるため、開業資金やランニングコストが節約できます。

医療モール型物件で病院・クリニックを開業するデメリット

同じ物件内にあるほかのクリニックや医院と診療科目が重複しないかよく確認しておかないと、開業した後で競合となり、患者を奪い合う結果になってしまうこともあり得ます。

またモール内にあるほかの医療施設の評判が悪いと、モール全体のクリニックや医院が影響を受けてしまい、集患が難しくなる場合もあります。

クリニックや医院の開業で、居抜きや承継物件を選ぶ際の注意点

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どう違う?クリニックや医院の居抜き物件と承継物件

比較的多いのが、「居抜き物件」の方です。居抜き物件は飲食店の開業でよく見られますが、以前運営していたクリニックや医院の内装や設備をそのまま使うため、開業の設備投資を抑えることができます。

一方、最近増えているのが「承継物件」です。まだ前のクリニックや医院が診療しているうちに引継ぎに関する相談・交渉を行ない、丸ごと引き継ぎます。カルテごと患者も引き継ぐので、物件の価格に加え、営業権(のれん代)が発生する場合がほとんどです。

前に運営していたクリニックや医院の評判が悪くなかったか

同じ立地や物件で開業する場合、以前運営していたクリニックや医院の影響を受けることになります。前のクリニックや医院の評判が悪かった場合には地域住民に悪い印象が残っているため、開業当初は集患に影響が出てしまいます。

承継物件の場合、賃貸契約は大家との締結が必要

承継相手との交渉がまとまりクリニックや医院を引き継ぐことになったとしても、賃貸物件で運営していた場合には、大家にも借りることに了承を得ておく必要があります。その場合、承継相手に大家を紹介してもらい、改めて賃貸契約を締結させてもらうようにするとスムーズに進むでしょう。

まとめ

クリニックや医院を開業する物件は形態ごとにメリットやデメリットがあり、立地や物件で選び方にポイントがあることをお分かりいただけたのではないでしょうか。また、居抜きや承継物件は開業費用が抑えられますが、注意すべき点もあります。それぞれの特徴を踏まえて、自分の開業コンセプトや条件にどれが1番見合っているのか、よく検討されてください。

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