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【2026年施行】「睡眠障害」が標榜診療科に追加!クリニックの組み合わせ例と集患への活かし方

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【2026年施行】「睡眠障害」が標榜診療科に追加!クリニックの組み合わせ例と集患への活かし方

「睡眠の悩みで来院する患者さんが増えているのに、看板に『睡眠』と入れる方法がなかった」

このように感じていた先生に朗報です。2026年6月1日から、「睡眠障害」が標榜診療科名として使えるようになり、「睡眠障害内科」のような名称を看板やウェブサイトに正式に掲げられるようになりました。

本記事では、今回の改正の概要と組み合わせ可能な診療科名、届出手続き、そして医院経営や継承への活かし方まで詳しく解説します。

睡眠障害は2026年6月1日から標榜できるようになった

厚生労働省が2026年5月29日に公布した政令第186号により、同年6月1日から「睡眠障害」を診療科名として標榜できるようになりました。 

出典:標榜可能な診療科名に係る医療法施行令の改正について|厚生労働省

掲げるには、内科や精神科といった基本の診療科名との組み合わせが必要です。たとえば「睡眠障害内科」のように名乗る仕組みになっています。

つまり、すでに内科を標榜しているクリニックであれば、届出一つで「睡眠障害内科」を看板に追加できる可能性があります。

標榜診療科とは医療機関が掲げられる診療科名のこと

標榜診療科とは、医療機関が看板やウェブサイトに掲げてよい診療科名のことです。

医療法施行令で定められており「内科」「精神科」のように単独で名乗れるものと「呼吸器内科」「糖尿病内科」のように基本の科名と組み合わせるものがあります。

今回の「睡眠障害」は、後者の組み合わせに使える疾患名として追加されました。

睡眠障害は感染症や糖尿病に並ぶ「疾患区分」に追加

今回の改正では、医療法施行令第3条の2第1項第1号ハ(4)に定められた「疾病・病態」の区分に睡眠障害が加わりました。改正後の条文では、組み合わせて標榜できる疾患名が以下のとおり定められています。

“感染症、腫瘍、糖尿病、アレルギー疾患若しくは睡眠障害又はこれらの疾病若しくは病態に分類される特定の疾病若しくは病態であつて、厚生労働省令で定めるもの”

出典:e-Gov法令検索 | 医療法施行令 第3条の2第1項

これまでこの区分には感染症・腫瘍・糖尿病・アレルギー疾患の4疾患が列挙されていました。ここに睡眠障害が加わり、5疾患になりました。

「糖尿病内科」や「アレルギー疾患内科」と同じ仕組みで「睡眠障害内科」と名乗れるようになったということです。この疾患区分への追加は、現行の組み合わせ標榜制度が整った2008年(平成20年)以来、約18年ぶりです。

睡眠障害が標榜診療科に追加された理由

このタイミングで睡眠障害が追加された背景には、社会全体で睡眠問題への関心が高まっていたことがあります。

睡眠障害による社会的損失の大きさ、日本睡眠学会からの正式な要望、そして患者が受診先を見つけにくいという3つの課題が重なり、制度改正に至りました。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

睡眠障害による社会的損失が大きいため

睡眠障害がもたらす社会的損失の大きさが、制度整備を後押ししました。

睡眠不足や睡眠障害は、労働生産性の低下や交通事故、生活習慣病の悪化など幅広い問題につながっています。日本はOECD(経済協力開発機構・先進38か国が加盟する国際機関)加盟国のなかでも平均睡眠時間が短い国として知られており、睡眠に関する経済的損失は以前から注目されてきました。

厚生労働省も2023年に「健康づくりのための睡眠ガイド2023」を公表し、睡眠を国民の健康課題として位置づけています。

こうした流れのなかで、睡眠障害の担当診療科を制度として明確にし、患者が受診先を見つけやすい仕組みを整える必要性が高まっていました。

日本睡眠学会が標榜診療科名の追加を求めたため

日本睡眠学会の正式な要望が、今回の改正を動かす直接のきっかけになりました。

2025年4月30日、同学会は厚生労働省に対し以下の要望書を提出しました。

“国民・患者の睡眠障害の診療を行う医療機関へのアクセスを向上させる観点から(中略)新たに「睡眠障害」を追加し、「睡眠障害内科」、「睡眠障害精神科」等の標榜を可能とすることを要望いたします”

標榜診療科名についての要望

出典:睡眠障害の標榜について(報告)|厚生労働省

その後、医道審議会の診療科名標榜部会で審議が行われ、2026年3月に追加が了承されました。

受診先がわからない患者を減らすため

睡眠の悩みを抱えていても、内科・耳鼻科・精神科のどこを受診すればよいかわからず、医療機関にかかれていない人が多くいます。

診療科名に「睡眠障害」が入ることで、患者は「ここで相談できる」と判断しやすくなります。適切な受診先への誘導は、早期治療や重症化予防にもつながるといえるでしょう。

睡眠障害は診療科名と組み合わせて標榜する

睡眠障害を標榜するには、基本の診療科名との組み合わせが必要です。組み合わせる科名によって患者から見た診療のイメージも変わるため、自院に合ったパターンを選ぶことが大切です。

組み合わせのパターンは大きく2つあります。

1つ目は、内科・外科との組み合わせです。代表的な例が「睡眠障害内科」で、すでに内科を標榜しているクリニックにとって最もなじみのある形でしょう。

2つ目は、精神科など政令で定められた特定の診療科名との組み合わせです。たとえば「睡眠障害精神科」のように標榜できます。

主な組み合わせパターンをまとめると以下のとおりです。

組み合わせ標榜の仕組み

自院で組み合わせ可能な診療科名は、管轄の保健所に確認しておくと確実です。

「睡眠外来」と「睡眠障害内科」の違い

睡眠外来と睡眠障害内科の違い

「睡眠外来」と「睡眠障害内科」は名称が似ていますが、制度上の位置づけはまったく異なります。

「睡眠外来」は政令で定められた正式な診療科名ではなく、外来の案内として使われてきた呼び名です。一方で今回認められた「睡眠障害◯◯科」は、政令に基づく正式な診療科名として看板やウェブサイトに掲げられます。

これまでは「うちは睡眠も診ています」と案内する形にとどまっていましたが、診療科名そのものに「睡眠障害」を入れて患者に伝えられるようになりました。患者にとっては、受診先を選ぶときの判断材料が一つ増えたといえます。正式な診療科名として位置づけられたことで、医療広告ガイドライン上も明確な根拠をもって広告できるようになりました。

睡眠障害の標榜診療科で診る主な病気

睡眠障害の診療で扱う疾患は幅広く、不眠だけにとどまりません。主な対象疾患を以下にまとめました。

主な対象疾患概要
不眠症寝つきが悪い・途中で目が覚める・朝早く起きすぎるなどの症状が続く
睡眠時無呼吸症候群(SAS)睡眠中に呼吸が何度も止まり、日中の強い眠気や集中力低下を引き起こす
過眠症・ナルコレプシー十分に寝ても日中に耐えがたい眠気が繰り返し生じる
むずむず脚症候群就寝時に脚に不快な感覚が生じ、動かさずにいられなくなる
概日リズム睡眠・覚醒障害体内時計のずれにより、望ましい時間帯に眠れない・起きられない

出典:睡眠障害のスクリーニングガイドライン|日本睡眠学会

このように対象疾患は幅広く、不眠だけでなく日中の眠気や睡眠中の呼吸トラブルまで、患者の来院動機は多岐にわたります。

睡眠障害を標榜すれば、こうした多様な悩みに対応していることを診療科名で患者に伝えられるようになります。標榜の追加を検討する際は、自院の診療体制で対応可能な疾患をあらかじめ整理しておくとよいでしょう。

睡眠障害を標榜するための届出手続き

「睡眠障害◯◯科」を新たに標榜するには、管轄の保健所への届出が必要です。手続きの流れは以下のとおりです。

  1. 管轄の保健所に届出方法や必要書類、手数料を確認する
  2. 「診療所開設届出事項中一部変更届」を作成する(様式番号は自治体ごとに異なる)
  3. 変更後10日以内に保健所へ提出する
  4. ホームページ・Googleビジネスプロフィール・院内掲示・パンフレットを更新し、既存の患者にも周知する

個人立の診療所であれば「届出」で済むケースが一般的ですが、医療法人や病院では事前の「許可」が求められることがあります。

必要書類や手数料は自治体で異なるため、まず管轄の保健所に確認するところから始めましょう。

睡眠障害を標榜するときの注意点やポイント

標榜の追加は届出だけで済む手続き面のハードルが低い一方で、広告表現や保険診療との関係など、運用面で押さえておくべきポイントがあります。制度が始まったばかりの今だからこそ、正しい理解のもとで活用することが大切です。

ここでは特に注意しておきたい3つの点を解説します。

標榜を理由に専門性を誇張した広告は避ける

標榜は「診療科名を掲げてよい」という許可であり、専門性の証明とは別の仕組みです。

睡眠の専門医であることを示すには、「日本睡眠学会専門医」などの資格が別途求められます。患者に専門性を誤認させるような誇大広告は、医療広告ガイドラインで禁止されています。

資格を広告に載せる場合は、広告可能な要件や表示ルールに従いましょう。

関連記事:医療法による広告規制と限定解除要件|NG表現事例紹介

保険診療や診療報酬の扱いは変わらない

標榜は「広告できる診療科名」の話であり、保険診療の範囲や診療報酬の仕組みとは別のものです。「睡眠障害内科」を掲げても、保険診療の算定ルールは従来どおりです。

標榜の追加によって既存の保険診療の運用を変える必要はなく、これまでの算定をそのまま続けられます。診療報酬の面で新たな対応が発生しないため、標榜を追加するハードルは低いといえます。

不眠症の診療や睡眠薬の処方に標榜の有無は関係ない

標榜の有無にかかわらず、内科や精神科で不眠の相談を受け、睡眠薬を処方することはこれまでどおり可能です。標榜は「睡眠障害を診ています」と看板で患者に伝えるための仕組みであり、診療の範囲を決めるものとは別です。

すでに睡眠の相談に応じている先生にとっては、標榜の追加は診療内容の変更ではなく、集患や差別化を見据えた経営上の判断になります。

睡眠障害の標榜は集患と医院の差別化につながる

ここまで制度面を見てきましたが、睡眠障害の標榜はクリニック経営にもメリットをもたらします。ここでは他院との差別化や集患の強化、医院継承・M&Aにおける強みなど、3つのメリットを解説します。

標榜診療科を増やして他院と差別化できる

すでに「内科」を標榜しているクリニックに「睡眠障害内科」を加えれば、専門性を示す看板が一つ増え、他院との差別化につながります。

制度が始まったばかりの今は、地域でいち早く標榜を掲げるチャンスです。「睡眠障害」を掲げている医療機関がまだ少ない段階であれば、標榜の追加がそのまま差別化の要因になります。

患者が医療機関を選ぶ際に「この先生は睡眠のことも診てくれる」と認識してもらえる効果は大きいといえるでしょう。

ホームページやGoogleビジネスプロフィールの診療科欄に「睡眠障害内科」を追加するだけでも、睡眠に関する検索からの流入が期待できます。

関連記事:【調査】開業しやすい診療科は?近年の動向や儲けやすさ、成功ポイント

潜在患者が多い睡眠医療で集患を強化できる

睡眠医療は集患強化に直結する分野です。

「睡眠外来」の月間検索数は2万件を超えており、受診先を探している人の多さがうかがえます。一方で「睡眠障害」を掲げた医療機関はまだ少なく、需要に対して供給が追いついていない状況です。この差は、標榜を追加するクリニックにとって集患の機会になります。

「どこで診てもらえるのか」が診療科名として明示されることで、これまで受診をためらっていた層を取り込む動線が生まれます。地域の検索結果に「睡眠障害内科」と表示されるだけでも、患者の目に留まる機会は増えるでしょう。

特にCPAP治療のように毎月の定期通院が必要な治療は、一度受診につながると長期的な来院が見込めます。安定した通院収入が期待できる点からも、集患の起点として睡眠医療は有望な分野です。

関連記事:クリニックの集患力アップ!効果的な対策17選

医院の承継・M&Aでも標榜の幅は強みになる

医院継承やM&Aの場面でも、標榜の幅は経営上の強みになります。買い手側と売り手側それぞれの視点で見てみましょう。

買い手として承継を検討する先生にとっては、承継先の立地でどの標榜が集患に有効かが重要な判断材料になります。承継したクリニックに「睡眠障害内科」を新たに加えれば、前院長の時代にはなかった診療の柱を打ち出せます。地域の睡眠医療のニーズと組み合わせて標榜を判断すれば、承継後の経営も安定しやすいでしょう。

売却を検討している先生にとっても、標榜診療科の幅は医院の付加価値を高める材料です。標榜できる診療科が多い医院は経営の多角化が進んでいると見なされやすく、買い手の評価にもプラスに映ります。

関連記事:クリニックの新規開業と承継開業のメリット・デメリットを徹底解説 

睡眠障害の標榜に関するよくある質問

睡眠障害の標榜について、先生からよく寄せられる疑問をまとめました。

Q1. 「睡眠外来」と「睡眠障害内科」は両方掲げてもよいですか

はい、併用できます。「睡眠障害内科」は政令に基づく正式な診療科名、「睡眠外来」は外来の案内名称であり、性質が異なります。

医療広告のルールの範囲内であれば、両方を掲げても問題ありません。

Q2. 病院でも睡眠障害を標榜できますか、診療所だけですか

診療所・病院のいずれでも標榜できます。組み合わせのルールは共通ですが、届出と許可の区分が異なる場合があるため、管轄の保健所で確認しておきましょう。

Q3. 標榜の届出に手数料はかかりますか

手数料の有無は自治体によって異なります。無料の場合もあれば所定の手数料がかかる場合もあるため、事前に管轄の保健所へ確認することをおすすめします。

まとめ|睡眠障害の標榜は医院継承後の差別化にも生かせる

2026年6月1日から、「睡眠障害」を内科・精神科などと組み合わせて標榜できるようになりました。既存の疾患区分(感染症・腫瘍・糖尿病・アレルギー疾患)に約18年ぶりに追加された、大きな制度改正です。

ただし、標榜はあくまで「診療科名を掲げてよい」という制度であり、専門性の保証とは異なります。医療広告ガイドラインに沿った適切な運用が求められます。

睡眠医療は潜在患者の多さから集患効果が見込める分野です。医院継承やM&A後の経営強化に向けて、まずは管轄の保健所に届出方法を確認するところから始めてみましょう。

私たちエムステージマネジメントソリューションズでは、医院継承後の経営戦略や診療科の見直しについて多くの先生をサポートしています。先生の医院継承(M&A)に関するお悩みに、ぜひお気軽にご相談ください。

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この記事の監修者

田中 宏典(医業承継M&Aアドバイザー/医療経営士1級/医業承継士/ファイナンシャルプランナー)

田中 宏典 <専門領域:医療経営>

株式会社エムステージマネジメントソリューションズ代表取締役。
医療経営士1級。医業承継士。
静岡県出身。幼少期をカリフォルニア州で過ごす。大学卒業後、医療機器メーカー、楽天を経て株式会社エムステージ入社。医師紹介事業部の事業部長を経て現職。
これまで、病院・診療所・介護施設等、累計70件以上の事業承継M&Aを支援。また、自社エムステージグループにおけるM&A戦略の推進にも従事している。
2025年3月にはプレジデント社より著書『“STORY”で学ぶ、M&A「医業承継」』を出版。医院承継の実務と現場知見をもとに、医療従事者・金融機関・支援機関等を対象とした講演・寄稿を多数行うとともに、ラジオ番組や各種メディアへの出演を通じた情報発信にも積極的に取り組んでいる。
医療機関の持続可能な経営と円滑な承継を支援する専門家として、幅広く活動している。
より詳しい実績は、メディア掲載・講演実績ページをご覧ください。

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