医師の平均月収|年齢・診療科・都道府県別の平均月収

医療経営・診療所経営 2023/02/28

一般的に医師の月収は高い水準にあると言われます。しかし、医師が実際にどのぐらいの月収を稼いでいるか知っている方は少ないでしょう。

そこで今回は医師の月収事情について、年齢・診療科・都道府県別で解説します。

医師が収入を増やす方法についてもまとめています。

これから医師を目指す方や、転職や転科を検討している方はぜひ参考にしてください。

医師の平均月収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」では、全国の医師における平均月収は105万と記載されています。これは、事業規模が10人以上の病院を対象にしたデータです。

事業規模が「10人〜99人」が最も高額であり「1,000人以上」が最も少額になっています。

平均月収
10人以上105万円
10人〜99人169.7万円
100人〜999人133.8万円
1,000人以上81.6万円
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

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勤務医の平均月収

厚生労働省の「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」では、勤務医の平均月収に関して次の結果が出ています。

一般病院の勤務医は一般診療所の勤務医と比べて20万円ほど高い結果となっています。

平均月収
一般病院の勤務医の月収109.5万円
一般診療所の勤務医の月収88.5万円
※出典:厚生労働省「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」

開業医の平均月収

厚生労働省の「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」では、開業医の平均月収に関して次の結果が出ています。

平均月収
一般病院の院長の月収210.3万円
一般診療所の院長の月収223.5万円
※出典:厚生労働省「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」

開業医における院長の月収は、勤務医の月収の約2.5倍です。

一般診療所の院長の月収は一般病院の院長に比べると、13万円上回る結果となっています。

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男女別の平均月収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」では、事業規模別で男女の平均月収に関して次の結果が出ています。

男性女性
10人以上111.8万円81万円
10人〜99人180.7万円127.2万円
100人〜999人136.9万円117万円
1,000人以上87.5万円64.6万円
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

事業規模「10人〜99人」が男女ともに最も高い月収になっています。

男女差が大きく、男性の月収は女性の月収の約1.4倍です。

一方で「1,000人以上」が男女ともに最も低い月収になります。

年齢別の平均月収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」では、医師の年齢別の平均月収に関して次の結果が出ています。

10人以上10人〜99人100人〜999人1,000人以上
20〜24歳48.5万円54.7万円45.3万円
25〜29歳52.9万円72.1万円51.1万円
30〜34歳73.8万円80.0万円105.5万円67.5万円
35〜39歳95.3万円151.5万円114.6万円82.3万円
40〜44歳110.9万円167.1万円137.2万円92.4万円
45〜49歳124万円200.5万円139.3万円100.4万円
50〜54歳145.1万円290.1万円144.1万円120万円
55〜59歳128.4万円133万円143.3万円107.1万円
60〜64歳135.8万円208万円143.8万円111.1万円
65〜69歳133.7万円123.9万円142.7万円116.4万円
70歳〜129.3万円89.1万円146.9万円88.4万円
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

すべての事業規模において「50〜54歳」が最も平均月収が高い結果になっています。

一方で「20〜24歳」が最も平均月収が低いです。

年齢が上がるにつれ、平均月収は上昇傾向にあることがわかります。

診療科別の平均月収

独立行政法人労働政策研究・研修機構の「勤務医の就労実態と意識に関する調査」では診療科別の平均月収に関して次の結果が出ています。

診療科平均月収
内科96.0万円
外科105.7万円
整形外科99.2万円
脳神経外科113.9万円
小児科93.9万円
産科・婦人科112.8万円
呼吸器科・消化器科・循環器科97.5万円
精神科94.6万円
眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科83万円
救急科93.5万円
麻酔科102.7万円
放射線科84.9万円
その他90.1万円
 ※出典:独立行政法人労働政策研究・研修機構「勤務医の就労実態と意識に関する調査」

最も平均月収が高い診療科は脳神経外科。次いで産科・婦人科、外科と続きます。

手術対応が多く、時間的な拘束が長いことが要因と言えるでしょう。

一方で最も平均月収が低い診療科は眼科・耳鼻咽喉科・泌尿器科・皮膚科です。

症例対応などで時間的な拘束が比較的少ないことが要因として考えられます。

都道府県別の平均月収

厚生労働省の「令和3年賃金構造基本統計調査」では、医師の都道府県別の平均月収に関して次の結果が出ています。(データは上位10都道府県)

都道府県平均月収
石川県163.9万円
岩手県153.2万円
高知県140.5万円
北海道134.1万円
静岡県133.4万円
群馬県130.8万円
新潟県130万円
茨城県129.5万円
長崎県129.1万円
山梨県125.8万円
※出典:厚生労働省「令和3年賃金構造基本統計調査」

最も平均月収が高い都道府県は石川県。次いで岩手県、高知県と続きます。

一方で平均月収が最も少ない都道府県は福岡県で70.6万円です。

収入を増やす方法

医師が収入を増やす方法について、解説します。

自身に合った方法で収入アップを図ってください。

アルバイト

アルバイトは、現在勤めている医療機関とは別の場所で勤務する形態を指します。

アルバイトには主に次の種類があります。

  • 当直
  • 健康診断
  • 非常勤での勤務
  • スポット勤務

当直のアルバイトであれば、1日に3万円〜10万円程度を稼げるのが一般的です。

またスポット勤務や健康診断は、時給で1万円〜1.5万円程度が稼げるでしょう。

医師のアルバイトは、求人サイトに情報が多く掲載されているため、比較的見つけやすいです。最近では、コロナワクチン接種に関する求人が多く存在しています。

注意事項としては、勤め先の医療機関によってはアルバイトを禁止している施設がある点です。アルバイトを検討する際は、勤め先の就業規則を確認し、アルバイトをしていいか確認しておきましょう。

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転職する

現状の医師としての月収に物足りなさを感じている場合は、転職するのも1つの選択になります。在宅医療などを専門している医療機関や民間病院などは月収が高い傾向にあります。

民間病院の場合は、公的病院や大学病院と異なり、資格やキャリアに応じた収入を得られるケースが多いです。また在宅医療などの特定領域では、診療報酬の観点で優遇措置を受けられる場合があります。そのため、転職することで収入アップが期待できるでしょう。

投資

医師は他の職種に比べて年収が高いため、社会保険料や所得税などが高額になります。

収入を上げ、可処分所得を増やすためにも、投資を行うことは有効と言えるでしょう。

インデックス投資や不動産投資、株式投資などは節制対策や老後資金の確保のためにも有効な方法です。

開業する

開業医は勤務医よりも収入が高い傾向があります。

中央社会保険医療協議会の「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」では、開業医における院長の月収は223.5万円であり、勤務医の月収は109.5万円。勤務医の月収より約2倍高い結果が出ています。

また年収においても、開業医における院長の年収は2,699万円であり、勤務医の年収は1,467万円。勤務医の月収よりも約1.8倍高い結果が出ています。

※参照:中央社会保険医療協議会「第23回医療経済実態調査 (医療機関等調査) 報告」

クリニックや医院の開業であれば、0から構築していく「新規開業」ではなく、既存のクリニックや医院を引き継ぐ「承継開業」という方法もあります。

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