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医師のクリニックの開業スケジュールを徹底解説!新規と承継開業それぞれの流れを紹介

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医師のクリニック開業スケジュール | やることや必要書類を解説

医師としてのキャリアが進むにつれ、「クリニックを開業したい」という思いを抱く先生も多いことでしょう。開業には医療の技術だけでなく、経営力や資金調達の知識も必要です。

またスムーズなクリニック開業を実現するためにも、開業までの準備期間の見通しから具体的な手順の把握も欠かせません。

本記事では、クリニック開業の準備から当日までの流れを時系列で詳しく解説し、新規開業と承継開業それぞれの特徴、スケジュールと必要な準備について紹介します。

クリニックの新規開業と承継開業のスケジュール期間

クリニック開業を成功させるためには、十分な準備期間を確保し、計画的にスケジュールを進めることが重要です。まずは新規開業と承継開業それぞれの、おおまかな準備期間やポイントを把握しておきましょう。

新規開業のスケジュール期間は約1年

新規開業の場合は下記の準備を、すべてイチから行う必要があります。

  • 物件探しから内装工事
  • 医療機器の導入
  • スタッフの採用
  • 行政手続き

そのため、最低でも約1年程度は準備期間を見込んでおきましょう。

承継開業(医院継承)のスケジュール期間は約半年〜1年

承継開業(医院継承)の場合、準備期間として約半年〜1年程度は見ておきましょう。既存のクリニックを引き継ぐ形になるため、内装や医療機器、スタッフをそのまま活用でき、新規開業に比べると短期間で開業できる場合が多いです。

ただし承継開業で失敗しないためには、仲介企業の選定や買収監査(デューデリジェンス)などが非常に重要です。

関連記事:医業承継(医院継承)における買収監査(デューデリジェンス)について

新規開業と承継開業の特徴とメリット・デメリット

医師が独立してクリニックを開業する際には、大きく分けて「新規開業」と「承継開業(医院継承)」の2つの選択肢があります。それぞれにメリット・デメリットがあり、開業を成功させるためには、自身のキャリアプランや経営スタイルに合った方法を選ぶことが重要です。

新規開業の特徴

新規開業は、立地選定から診療方針、内装デザイン、医療機器の導入、スタッフの採用まで、すべてを自ら決められる自由度の高い開業方法です。自分の理想とする診療スタイルを実現できるのが魅力ですが、開業準備には多くの時間と資金が必要になります。

メリットデメリット
診療方針や設備を自由に決められる開業エリアや立地の選択肢が広い最新の医療機器を導入できるスタッフを自ら採用して理想のチームを構築可能初期費用が高額で資金調達の負担が大きい開業初期は認知度が低く、集患にも時間がかかる経営が軌道に乗るまでの不確実性が高い医療機器の選定やレイアウト設計に時間と労力がかかる

承継開業(医院継承)の特徴

承継開業(医院継承)とは、引退を考える医師から既存のクリニックを引き継ぐ形で開業する方法です。すでに確立された患者層やスタッフ、診療設備をそのまま活用できるため、開業初日から安定した経営をスタートできるのが大きな魅力です。

メリットデメリット
既存の患者を引き継げるため、開業初日から比較的収益が安定する設備やスタッフをそのまま活用できるため、採用や設備投資の負担が少ない開業コストを抑えやすく、ローン負担が少なくなる可能性があるすでに地域の信頼を得ているため、集患のハードルが低い希望するエリアや診療科目に合致する案件が限られる診療方針の変更が難しく、前院長の経営方針を引き継ぐ必要がある場合も設備の老朽化や施設の改修が必要なケースがある経営状態が不透明な案件もあり、買収監査(デューデリジェンス)が重要

関連記事:新規開業と承継開業のメリット・デメリット【徹底比較】

新規開業のスケジュールと流れ

クリニックの新規開業では、非常に数多くの準備が必要です。

【新規開業時に必要な準備や手続き】

  • 開業計画の立案
  • 物件選定
  • 資金調達
  • 医療機器の導入
  • スタッフの採用
  • 行政手続き

スムーズな新規開業を実現するためにも、適切なスケジュール管理が重要です。ここでは、一般的な新規開業スケジュールを時系列で詳しく解説します。

新規開業のスケジュール

1年~10か月前:事業計画と開業計画の策定

まずはクリニックのコンセプトを決めたのち、事業計画書の作成が必要です。事業計画書の内容は主に以下の3つです。

【開業後の収支計画】

キャッシュフローの把握は、開業後の経営状態を左右する重要な基盤です。収入見込みは一般的に「1人あたりの診療単価 × 来院数 × 診療日数」で算出します。支出見込みは、生活費や固定費、人件費などを計算しておきます。

【開業時の支出内訳】

広告宣伝費や医療機器、内装費、土地の費用などが該当します。

【資金調達の内訳】

リースや借入金、自己資金などを明確にしておきましょう。収支計画を立て、計画的に開業することで、開業後の経営安定化につながります。

関連記事:クリニックの資金調達などで必要になる「事業計画書」について

10~6か月前:物件選定と診療圏調査

クリニックの開業準備で最も重要な要素の1つが、物件選定と診療圏調査です。診療圏調査とは、クリニックを開業した際に、来院される患者数を把握する調査のことです。人口や競合状況などを加味して、推定の患者数が導き出されます。

クリニック経営において「集患できるか否か」は「存続できるか否か」に直結します。土地によって推定患者数はさまざまなため、狙うべきターゲット層が来院してくれるか事前に調査することが重要です。

関連記事:診療圏調査とは?クリニック開業前に必須の調査内容と実施方法

【物件探しのポイント】

物件探しでは、以下の要素を重点的に確認しましょう。

  • 人口・年齢層:現在だけでなく、将来的な人口推移も把握する
  • アクセスのよさ:駅からの距離、駐車場の有無など
  • 実地調査:データだけでなく、必ず自分の足で現地を見に行く
  • 競合の有無:周辺の診療所の診療科目や治療方針を調査する

関連記事:クリニック開業時の立地・物件の選び方

土地にも借地と不動産の2種類があるため、自院の経営方針などを加味して最適な形態を選びましょう。

メリット・デメリット借地不動産
メリット初期費用が抑えられる将来的な移転や増築がしやすい資産になる設計が自由増築や改築がしやすい
デメリット資産にならない共益費が発生するリフォームに制限がある初期費用の負担が大きい開業準備に時間と手間がかかる将来的な移転がしにくい

6か月前:保健所との事前協議

開業場所や物件が決まったら、保健所との協議が必要です。クリニックの設計図面や賃貸借契約書、クリニック名称などを事前に共有しておきましょう。書類などに問題があった場合には開設届が受理されず、開業できないケースがあるため、保健所と入念に確認することが重要です。

また、保健所に行くタイミングは、テナントとの賃貸契約を結ぶ前に行います。保健所が認める施設基準を満たさない場合、契約を破棄しなければならなくなるためです。

6~5か月前:開業に向けた資金調達

クリニックを新規開業する場合、5,000万円~1億2,000万円程度が目安です。

【新規開業の資金内訳】

建物・内装工事費用(3,000万円~5,000万円)
医療機器費用(2,500万円~4,000万円)
広告費や生活費など(2,500万円~3,500万円)

新規開業の資金内訳

これらの資金を個人で用意できることはほぼありませんので、一般的には金融機関から資金調達を行います。個人でも資金調達できる、主な金融機関は以下の通りです。

  • 民間銀行
  • 医師信用組合
  • 日本政策金融公庫
  • 独立行政法人福祉医療機構

また、クリニックに開業に関しては国や自治体から補助金が出る場合もあり、資金調達の詳しい方法については、以下の記事で解説しています。

関連記事:クリニックの開業資金はいくら必要?診療科目別でわかる費用や調達方法を紹介

5~4か月前:物件契約と内装・医療機器の準備

資金調達の目処が立ったら、物件契約を進めます。契約前には保健所との協議内容や医師会の加入条件を再確認し、銀行融資の確約を取っておきましょう。契約後に問題が発覚すると、大きな損失につながるためです。

また、MRIやCTなどの大型医療機器を導入予定の場合は、内装業者と詳細な構造確認を行い、設置可否を確認しておくことも重要です。

内装設計・工事

内装設計・工事は施工業者に委託します。自院の診療方針やターゲット層を加味し、建物全体のデザインや色調を決めましょう。患者動線の確保(バリアフリー設計)や防音対策など、患者さんが安心して来院できる環境づくりが重要です。

内装業者を選定する際は、複数社で設計コンペを実施し、コストとデザインを比較検討することをおすすめします。

関連記事:診療所の間取りを成功させるための考え方とは?法規制や広さの基準を解説

医療機器の選定

医療機器を選定する際は、以下の4つのポイントを確認しましょう。

価格複数社で相見積もりを取って価格交渉を行う
操作性メーカーにデモンストレーションを依頼し、実際に操作して確認する
アフタフォロー故障時の対応体制や評判を確認する
採算性導入コストや検査件数、診療報酬点数などから費用対効果を判断する

関連記事:医療機器の導入、リースと購入どちらが良い?

特に電子カルテは、クラウド型かオンプレミス型かを選択し、クリニックの運営に適したシステムを導入することが重要です。

関連記事:電子カルテが普及しない理由|導入のメリットとは?

3か月前:工事着工・採用活動・広報開始

物件の契約が済んだら、工事請負契約を締結して、着工前にデザインや仕様の最終確認を行います。想定外の変更が生じないように、慎重に進めましょう。

そしてスタッフ採用を行っていく必要があります。募集方法としては、ハローワークや求人サイト、求人情報誌などが一般的で、元の勤め先で知り合いの看護師に直接声をかけるのも有効な手段です。

採用面接では、クリニックの価値観や理念、就業規則に合う人物かを確認しましょう。人柄も含め、医療接遇に問題ないかも重要なポイントです。キャリアアップ助成金などを活用する場合は、社労士と相談しながら進めるとよいでしょう。

そして新規開業時に最も重要となるのが、集患対策です。主な施策としては以下が挙げられます。

ホームページの作成診療時間、アクセス情報、診療内容、院長挨拶などの基本情報を掲載
SEO・MEO対策検索サイトやGoogleマップで上位表示されるよう対策
SNSの活用X(旧Twitter)やInstagramなどで開業準備の進捗や医療情報を発信
内覧会の準備開業前に地域住民を招いてクリニックを紹介する

集患施策は多岐にわたるため、まずはできることから始め、PDCAサイクルを回して改善していくことが大切です。

関連記事:クリニックの集患力アップ!効果的な対策17選

2か月前:行政手続きとシステム導入

クリニックを正式に開設するためには、管轄の保健所に「開設届」を、厚生局に「保険医療機関指定申請書」を提出する必要があります。「保険医療機関指定申請」は受理に1か月ほどかかるうえに、開設届の受理後でなければ申請できません。

一度で受理されるケースは少ないため、事前に担当先へ相談しておきましょう。地域の機関によって提出書類や申請の締め切りが異なるため、必ず事前確認が必要です。

クリニック開設の行政手続きフロー

並行して、医療機器の搬入とシミュレーション、スタッフ研修も進めます。電子カルテの操作研修や受付業務・会計処理の実務研修を徹底的に行い、開業後の円滑な業務運営を目指しましょう。

医薬品や消耗品の在庫管理体制も整備し、診療初日から適切に運用できるよう準備を進めます。

関連記事:医療の接遇マナー5原則とは?言葉遣いのポイントやマニュアル作成方法を解説

1か月前:最終調整とプレオープン準備

開業直前の頃には保険の見直しや税理士の選定、医師会への挨拶などを行います。保険は団体信用生命保険、事業活動総合保険、医師賠償責任保険などを検討し、必要なものを選択しましょう。

税理士は医療機関の会計に精通し、経営ノウハウも持った専門家を選ぶことをおすすめします。医師会への入会予定がある場合は、事前に挨拶しておくことで審査がスムーズに進みます。

関連記事:医師会に入らない開業医の理由と医師会に入るメリット

診察室や待合室の備品を搬入し、患者動線を意識しながらレイアウトを最終調整します。地域住民にクリニックを知ってもらうため、内覧会の準備も行います。また、ホームページの公開やポスティング、新聞折込チラシなどで認知度を高めることも重要です。

承継開業(買収)による開業スケジュールを詳しく見る

承継開業のスケジュールと流れ

クリニックの承継開業は、一般的に半年から1年ほどの準備期間が必要です。ここでは、承継開業を進める際の標準的なスケジュールについて詳しく解説します。

承継開業のスケジュール

9~6か月前まで:仲介業者の選定とNDA締結

クリニックを承継するには、適切な仲介業者を選定し、契約を結ぶことから始めます。仲介業者には、医療M&Aに特化した専門業者や、大手医療系コンサルティング会社などがあります。承継候補となるクリニックの財務状況や組織体制、医療機器・設備の状況などの機密情報を開示してもらうにあたり、秘密保持契約(NDA)を締結します。

また弁護士や税理士、会計士と連携し、法務や税務のリスクを事前に精査することで、後々のトラブルを防げます。

5~4か月前:承継候補との交渉・基本合意

承継を検討するクリニックの院長と面談を行い、診療方針や経営スタイルを確認します。内見を通じて、医療機器や院内の設備状況を把握したり、自身の診療スタイルに適しているかを見極めたりすることも重要です。

面談後は、買収価格や譲渡のスケジュール、独占交渉権の有無などを記載した意向表明書を作成し、承継の方向性を明確にします。その後、承継条件の詳細な交渉を行い、双方が合意に至った場合、基本合意書を締結します。

関連記事:医業承継(医院継承)で使われる主な契約書・書類とは?

3か月前:買収監査(デューデリジェンス)の実施

承継候補のクリニックが抱える財務・法務・労務リスクを精査するために、買収監査(デューデリジェンス)を実施します。税理士や弁護士といった専門家と連携し、過去3年分の決算書、未払い債務や負債の状況、スタッフの雇用契約の内容などを確認します。

また、診療報酬の請求内容に問題がないか、不正請求が行われていないかなど、法的な観点からのチェックも重要です。

関連記事:医業承継(医院継承)における買収監査(デューデリジェンス)について

2か月前:最終契約と引き継ぎ準備

デューデリジェンスの結果をもとに最終交渉を行い、譲渡価格や契約内容を確定させます。その後、法的拘束力を持つ最終譲渡契約書を締結し、正式に承継手続きを進めます。

最終契約が締結された後の契約破棄は基本的に認められないため、契約内容の詳細を慎重に確認することが重要です。

1か月前:広報と運営準備

承継が決定したことを既存の患者に通知し、新院長としての体制をアピールします。クリニックのホームページも更新し、院長の変更や診療方針の継続・変更点などを明示することで、患者の安心感につながります。

また、チラシやDM、SNSを活用した広報活動を行い、新体制の認知を広げることも重要です。スタッフ研修を実施し、受付業務やレセプト業務のオペレーションを最終確認しましょう。

開業を成功させるための3つのポイント

クリニック開業を成功させるための要素は数多くありますが、中でも下記3つのポイントは非常に重要です。

1. コンセプトの明確化

クリニックのコンセプトを明確にすることは、開業準備における意思決定の軸となります。最初にコンセプトや強みを明確にしておかないと、最適な開業エリアの選定をはじめ、開業時にもコンセプトがブレてしまい集患しにくくなってしまうためです。

たとえば「糖尿病治療メインの内科クリニック」というコンセプトがあれば、ホームページの内容や広告戦略、内装デザインなど、あらゆる場面で一貫性のある判断が可能です。

2. 事業計画の綿密な策定

開業後の収支計画や開業時の支出内訳、資金調達の内訳を詳細に記載した事業計画書の作成が重要です。キャッシュフローを把握しているか否かで、開業後の経営状態が大きく左右されるためです。

3. スケジュール管理の徹底

クリニック開業準備には、非常に多くのタスクが発生します。物件契約や資金調達、行政手続き、スタッフ採用など、それぞれに適切なタイミングがあります。

特に保険診療を行うためには「保険医療機関指定申請」が必要ですが、開設届けが受理されたあとでないと申請ができません。

さらに万が一、クリニック開業までに「保険医療機関指定申請」が受理されなかった場合には、受理されるまで患者は保険が適用されず全額負担となってしまうわけです。このようなトラブルが起きないためにも、開業スケジュールを綿密に管理し、計画的に進めることが重要です。

クリニックの開業時に押さえておくべきポイント

クリニックを安定的に運営するためには、医療技術だけでなく、経営者としてのスキルや知識も不可欠です。ここでは、開業医に求められる主なスキルと、開業後に起こりうる課題への対策を解説します。

開業医に必要なスキルと知識

たとえ開業医の医療スキルが良くても「経営者」としてのスキルが弱いと、閉院に追いやられてしまいます。そのため開業医には下記のスキルも重要です。

【開業医に求められるスキル】

  • 経営スキル
  • マネジメントスキル
  • 法務スキル

それぞれ詳しく解説します。

経営スキル(財務管理、マーケティング)

地域の医療ニーズを的確に把握し、集患戦略を立てる能力が求められます。例えば人口の多い都市部では競争が激しいため、他院との差別化が不可欠です。

一方で人口の少ない地域では、地域に密着した診療スタイルを築き、住民との信頼関係を深めることが重要です。

また、診療報酬の仕組みを理解し、適切な請求業務を行うことも欠かせません。保険診療と自由診療のバランスを考えながら経営計画を立てましょう。税務対策や節税の知識を身につけることで、効率的な資金運用が可能になります。

マネジメントスキル(スタッフ管理)

看護師や受付スタッフ、医療事務など、チームをまとめる能力が必要です。スタッフとの信頼関係を築き、働きやすい職場環境を整えることで、診療の質の向上や患者満足度の向上につながります。

法務知識(医療広告ガイドライン、行政手続き)

保健所や厚生局への届出、診療報酬の請求など、法律に基づいた手続きを理解し、行政書士や社労士などの専門家と適切に連携することが重要です。

特に医療広告ガイドラインについては、患者に誤解を与えないよう、正しい情報発信を心がける必要があります。

関連記事:医療法による広告規制と限定解除要件|NG表現事例紹介

医師免許があれば開業に特別な資格は不要ですが、経営をスムーズに進めるために「医療経営士」「医業経営コンサルタント」「病院経営管理士」などの資格を取得するのもよいでしょう。

開業後に起こりうる課題と対策

開業後には、人間関係のトラブルや集患の課題など、さまざまな問題が発生する可能性があります。ここでは、よくある課題とその対策を紹介します。

人間関係のトラブル

院長とスタッフの対立は、よくあるトラブル事例です。多忙な業務によるコミュニケーション不足が原因となることが多く、特定のスタッフにだけ頻繁に話しかけると、他のスタッフから不満が出て退職につながる場合もあります。

対策としては、普段からコミュニケーションを取ることです。月に最低1回は面談を行い、スタッフの要望や不満を聞く機会を設けることで、信頼関係の構築につながります。

集患がうまくいかない

患者が予想より来院しない場合でも、事業計画書通りに収支が安定していれば問題ありません。1年から2年のスパンで地道に集患していく必要があります。

効果的な対策として、SEO対策・MEO対策で検索結果や口コミサイトの評価を上げる、予約システムを導入して患者の利便性を高める、医療接遇を向上させて患者満足度を上げるなどがあります。

ターゲット層に合わせた集患戦略を実施しましょう。

クリニックの開業スケジュールに関するよくある質問

ここではクリニック開業を検討している先生から、よく聞かれる質問について回答していきます。

開業準備にどれくらいの期間が必要ですか?

新規開業の場合は約1年、承継開業の場合は半年から1年程度の準備期間が必要です。新規開業では物件探しから内装工事、医療機器の導入、スタッフ採用、行政手続きなど、すべてをゼロから準備する必要があります。

一方で承継開業は既存の設備やスタッフを活用できるため、比較的短期間で開業できます。

新規開業と承継開業ではどちらがおすすめですか?

ご自身の状況や希望によって、最適な開業方法は異なります。新規開業は自由度が高く、理想の診療スタイルを実現できますが、初期費用が高額で集患に時間がかかるのがデメリットです。

一方で承継開業は既存の患者層を引き継ぐため、開業初日から安定した経営が可能ですが、希望エリアや診療科目に合う案件は限られます。

ご自身のキャリアプランや資金状況、開業したいエリアなどを総合的に考慮して選択することをおすすめします。

開業資金はいくら必要ですか?

新規開業の場合、5,000万円~1億2,000万円程度が目安となり、承継開業の場合、この半分程度で開業できる案件もあります。承継開業のほうが、内装や医療機器をそのまま引き継ぐため初期費用を抑えられます。

開業時に利用できる補助金や助成金はありますか?

開業時に利用できる補助金・助成金には、以下のようなものが挙げられます。

  • IT導入補助金
  • 事業承継・引継ぎ補助金
  • 医療施設等施設設備費補助金
  • ものづくり補助金

それぞれ利用条件が異なり、また予算に達した場合には締め切られるものもあります。

医師会には必ず入会すべきですか?

医師会への入会は義務ではありません。入会費や年会費がかかりますが、医師会から予防接種や検診業務の委託が入るため、収益アップのきっかけにはなります。

また診療機会が増えることでクリニックの認知度拡大につながり、地域の医療機関との連携がスムーズになる、などのメリットもあります。ご自身の経営方針や地域の状況を考慮して判断しましょう。

関連記事:医師会に入らない開業医の理由と医師会に入るメリット

クリニック開業までのスケジュールは専門家に任せましょう

新規開業は約1年、承継開業は半年から1年程度の準備期間が必要です。開業を成功させるためにも、まずはコンセプトを明確にし、綿密な事業計画の策定やスケジュール管理の徹底が欠かせません。また物件選定や診療圏調査、資金調達、行政手続きなど、各段階で専門的な手続きや知識が重要になります。

エムステージマネジメントソリューションズでは、独自に有する1.7万件以上の医療機関ネットワークを活用し、全国エリアで病院やクリニックの医院継承案件に対応しています。医院継承後の経営支援や行政手続きもサポートし、医師や事務長などの人材採用まで幅広く対応していますので、まずはお気軽に無料相談からお問い合わせください。

医院継承・医業承継(M&A)のご相談は、エムステージ医業承継サポートにお問い合わせください。

この記事の監修者

田中 宏典 <専門領域:医療経営>

株式会社エムステージマネジメントソリューションズ代表取締役。
医療経営士1級。医業承継士。
静岡県出身。幼少期をカリフォルニア州で過ごす。大学卒業後、医療機器メーカー、楽天を経て株式会社エムステージ入社。医師紹介事業部の事業部長を経て現職。
これまで、病院・診療所・介護施設等、累計50件以上の事業承継M&Aを支援。また、自社エムステージグループにおけるM&A戦略の推進にも従事している。
2025年3月にはプレジデント社より著書『“STORY”で学ぶ、M&A「医業承継」』を出版。医院承継の実務と現場知見をもとに、医療従事者・金融機関・支援機関等を対象とした講演・寄稿を多数行うとともに、ラジオ番組や各種メディアへの出演を通じた情報発信にも積極的に取り組んでいる。
医療機関の持続可能な経営と円滑な承継を支援する専門家として、幅広く活動している。
より詳しい実績は、メディア掲載・講演実績ページをご覧ください。

【免責事項】
本コラムは一般的な情報提供を目的としたものであり、特定の取引や個別の状況に対する税務・法務・労務・行政手続き等の専門的なアドバイスを提供するものではありません。個別案件については必ず専門家にご相談ください。

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