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医療経営士1級~3級の取得難易度と勉強方法

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医療経営士とは?取得難易度から試験内容、対策までに網羅的に解説
医療経営士とは?取得難易度から試験内容、対策までに網羅的に解説

医療経営士とは、医療に関する人的資源や物的、サービス資源、財務的資源、知的・情報資源など4つの資源を十分に把握することで医療関連において経営のサポートや経営課題の解決をするための資格です。医療経営士になるためには医療経営士認定試験に合格する必要があります。1級から3級まであり、経営者向け、管理職向け、これから医療関連に就職しようとしている人向けとそれぞれ求められる能力が異なるため、級に合った対策が必要です。

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医療経営士とは

医療経営士とは、医療機関の経営に必要とされる次の4資源を融合させることによって、経営課題を解決をすることをはじめとして実践的な経営能力をもった人材のことです。

  • 人的資源
  • 物的・サービス資源
  • 財務的資源
  • 知的・情報資源

履歴書に書く正式名称

医療経営士資格認定試験に合格した場合、例えば3級であれば「医療経営士資格認定試験3級」と記載します。

医療経営士の取得難易度

3級に関しては全く知識がない人でも、しっかりと教材を勉強すれば合格できるでしょう。合格点は「総得点の6割程度」と記されています。

2級合格率は26~27%前後とむずかしくなります。合格点は公表されていません。一般的な企業経営において必要な財務関係に関しての知識も必要です。そのため、医療関係者以外でも医療関係者を顧客に持つ銀行や税理士事務所でも取得するケースが増えています。

1級に関してはさらに難易度が増します。毎年10名ほどしか資格認定を受けられないほどむずかしい資格です。

直近の試験での合格率は次のようになっています。(2022年12月16日時点)

3級32.2%
2級28.3%
1級22.6%※一次試験合格率×二次試験合格率で算出

<参考> 医療経営士3級資格受験者数の推移 / 医療経営士2級資格受験者数の推移 / 医療経営士1級資格受験者数の推移

運転免許であればおおよそ70%前後の合格率であり、比較をしても医療経営士がむずかしい試験であることがわかります。

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医療経営士の資格を取得するメリット

医療経営士の資格を取得することで、医療経営士として認定されます。認定されることによって日本医療経営実践協会会員として登録され、業務改善やリスクマネジメント、地域連携、DPCといった研究会に参加可能です。資格を取得し審査に通過すると協会入会認定され、医療経営士として研究会や勉強会に参加できます。

医療業界において経営スキルのある人材は不足しており、近年の医療機関の経営悪化問題を踏まえても今後求められていく資格といえるでしょう。

受験資格

3級資格認定試験の受験資格は特にありません。2級資格認定試験を受験する場合は3級資格認定試験に合格しており、さらに一般社団法人日本医療経営実践協会において個人正会員か法人正会員である必要があります。

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医療経営士の試験概要

医療経営士の試験概要は次のようになります。

試験方式

3級

出題形式は 五肢択一、マークシート記入が50問出題され、制限時間は80分です。

2級

2級は第1分野と第2分野があります。いずれも出題形式は五肢択一、マークシート記入であり、制限時間は80分です。そのため、両方受験する場合は160分となります。

1級

1級は第一次試験と第二次試験があります。第一次試験では、出題形式は短文記述と論文記述形式があり、試験時間は90分です。第二次試験では口頭試問(プレゼンテーション形式)と個人面接があり、合わせて20分となっています。

スケジュール

3級は年に3回、2級は2回、1級は1回で一次試験と二次試験があります。

スケジュールは日々更新されますので、公式サイトから確認してください。

受験料

受験料は1級、2級(受験内容により異なる)、3級とそれぞれの級において異なります。

1級50,000円(税込・払込手数料別途)
2級分野受験14,000円(税込・手数料別途)
2級両分野受験16,000円(税込・手数料別途)
3級9,100円(税込・手数料・システム利用料別途)

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試験内容

試験は1〜3級によってそれぞれ異なります。3級は医療従事者や医療関連の企業に勤務している人やそれらを目指す学生、2級は医療関連においての中間管理職、1級は理事長や院長などの経営幹部が主な対象です。

医療経営士3級の試験内容

医療経営や医療に関する次のような基礎知識が求められます。

  • 医療法規
  • 医療行政
  • 医療機関の構造
  • 医療関連産業論
  • 患者サービス論
  • 倫理

主に医療分野の就職を目指している学生や一般の方が対象です。

主な出題科目は次の内容です。

1.  医療経営史
2.  日本の医療政策と地域医療システム
3.  日本の医療関連法規
4.  病院の仕組み/各種団体、学会の成り立ち
5.  診療科目の歴史と医療技術の進歩
6.  日本の医療関連サービス
7.  患者と医療サービス
8.  医療倫理と臨床倫理
9.  医療に関する最近の動向/時事

第37回「医療経営士3級」資格認定試験実施概要

医療経営士2級の試験内容

医療経営に関連する課題解決能力や専門知識が求められます。中間管理職が必要とする医療経営知識や課題解決能力が合格には求められます。対象となるのは医療機関においての管理職者やコンサルタント、医療機器メーカーなどの管理職者、研究者などです。

出題範囲は第1分野と第2分野によって異なります。いずれかを合格した場合は分野合格として2年有効で、両分野合格してはじめて2級合格となり医療経営士2級として認定登録されます。

第1分野

1.医療経営概論
2.経営理念・ビジョン/経営戦略
3.医療マーケティングと地域医療
4.医療ICTシステム
5.組織管理/組織改革
6.人的資源管理
7.事務管理/物品管理
8.病院会計
9.病院ファイナンス
10.医療法務/医療の安全管理
11.医療に関する最近の動向/時事

第24回「医療経営士2級」資格認定試験実施概要

第2分野

1.診療報酬制度と医業収益
2.広報・広告/ブランディング/マーケティング
3.管理会計
4.医療・介護の連携
5.経営手法の新戦略
6.多職種連携
7.業務改革・改善
8.チーム医療と現場力
9.医療サービスの多様化と実践
 10.医療に関する最近の動向/時事

第24回「医療経営士2級」資格認定試験実施概要

医療経営士1級の試験内容

医療経営に関して、高度な専門知識や能力、実践力などについて学ぶ必要があります。病院長や理事長に対して、意識決定をサポートできる能力が求められます。そのため、対象者となるのは理事長や院長、経営幹部候補者などです。

第一次試験の出題形式は記述式となっており、病院の経営戦略に関する論文とそのほかに次の議題について短文記述形式で回答します。

  • 病院経営戦略論Ⅰ
  • 病院経営戦略論Ⅱ
  • 病院経営戦略論Ⅲ

試験対策方法

いずれの級においても、協会推薦対策テキストを活用するのがおすすめです。全国の書店で購入できるほか、日本医療企画オンラインショップでも購入可能です。日本医療経営実践協会の正会員の場合は、割引価格で購入できます。

3級受験者向けの初級テキストは8巻セットで22,000円(税込)、2級受験者向けの中級テキストは19巻セット52,390円(税込)、1級受験者向けの上級テキストは13巻セットで42,900円(税込)で購入できます。

いずれも決して安くはなく、ボリュームがあります。上記のほかにも医療経営士実践テキストシリーズの予想問題集やQ&Aも有効活用すると良いでしょう。

まとめ

医療経営士とは病院の経営のサポートを行い、課題解決ができる能力がある証明ができる資格です。最も難易度の低い3級であってもしっかりと勉強して臨む必要があります。2級は管理者向け、1級は経営者向けとさらにランクがあがります。

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この記事の監修者

田中 宏典 <専門領域:医療経営>

株式会社エムステージマネジメントソリューションズ代表取締役。医療経営士1級。医業承継士。医療機器メーカー、楽天を経て株式会社エムステージ入社。医師紹介事業部の事業部長を経て現職。これまで、病院2件、診療所30件、介護施設2件の事業承継M&Aをサポートしてきた。エムステージグループ内のM&A戦略も推進している。

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