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【調査】受診控えを感じる医師は7割以上!コロナ禍がもたらす医療経営への影響

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2022年3月、株式会社エムステージマネジメントソリューションズが、医師441名に「医業承継・医療経営についてのアンケート調査」を実施。今回は、新型コロナウイルス感染症についての回答結果や、コロナ禍前との患者数の比較データから、今後の医療経営について考えてみます。

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新型コロナウイルス感染症の医療経営への影響

2020年から世界各地で大流行した、新型コロナウイルス感染症。感染を恐れ、医療機関への受診を控える人が多くなりました。医療経営へはどのような影響があったのでしょうか。

新型コロナウイルス感染症の流行前と比べ、7割以上の医師が「現在も受診控えを感じている」

▼新型コロナウイルス感染症の流行以前と比べて、現在も患者の受診控えを感じますか?

新型コロナウイルス感染症の流行以前と比べて、現在も患者の受診控えを感じるかについて質問したところ、「そう感じる」(28.6%)と「どちらかといえば感じる」(43.1%)を合わせると、7割以上もの医師が現在も患者の受診控えを感じているという結果に。

流行の開始から2年以上が経った今でも、新型コロナウイルス感染症による医療機関への影響が続いていることが分かります。

新型コロナウイルス感染症の終息後も、「以前の患者数には戻らない」と考えている医師が5割以上

▼今後、新型コロナウイルス感染症が終息した後も、以前の患者数には戻らないと思いますか?

前の質問に「そう感じる・どちらかといえば感じる」と回答した人に、新型コロナウイルス感染症が終息した後も、以前の患者数には戻らないと思うかについて質問したところ、5割以上が「戻らない」と回答。

現在、受診控えを感じている医師は、感染症の終息後も医療機関を受診する患者数が戻らないと考える人の方が多いようです。

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今後の医療経営は、何が求められるか

新型コロナウイルス感染症拡大のみならず、人口減少や診療報酬の改定など、さまざまな厳しい影響を受ける昨今の医療機関。今後の医療経営には、どのようなことが求められるのでしょうか。

8割以上の医師が、「今後の医療経営は厳しくなると考えている」

▼今後の医療経営は厳しくなると思いますか? 

今後の医療経営は厳しくなるかについて質問したところ、「そう思う」(37.3%)と「どちらかといえばそう思う」(47.3%)を合わせると、8割以上もの医師が「厳しくなる」と考えているという結果に。

今後の医療経営について、危機感を持っている医師が多いことが分かります。

今後の医療経営に求められること

「今後の医療経営にどのようなことが求められるか」について寄せられた自由回答から、主な意見を以下にピックアップしてご紹介します。

▼今後の医療経営には、どのようなことが求められると思いますか?(自由記述)

患者ニーズに寄り添う

  • ニーズに合った治療。(民間病院・30代・消化器内科医師)
  • より患者ニーズへのマッチが必要。(民間病院・60代・小児科医師)
  • 患者ニーズの的確な拾い上げ。(大学病院・30代・外科その他医師)
  • 患者さんの意向に沿った診療が必要だと思います。(クリニック・50代・一般内科医師)
  • より患者に寄り添った医療。(民間病院・50代・一般外科医師)
  • 待ち時間の短縮など、患者の利便性向上。(民間病院・20代・眼科医師)
  • サービス向上。(公的病院・40代・整形外科医師)
  • ホスピタリティ。(クリニック・30代・眼科開業医)
  • 細かいサービス。(民間病院・30代・産婦人科医師)

オンラインやリモートでの診療など、多様な診療スタイルの導入

  • オンライン診療。(公的病院・20代・脳神経外科医師)
  • オンライン診療など、多様な診療スタイルへの対応。(民間病院・50代・一般外科医師)
  • オンライン診療、かかりつけ医の徹底。(民間病院・50代・一般外科)
  • リモート診療や訪問診療を増やす。(大学病院・50代・循環器内科医師)
  • リモート能力。(民間病院・40代・一般外科医師)
  • 訪問、オンライン利用の活性化、新しい形。(診療+α)(民間病院・40代・麻酔科医師)

他院との差別化

  • 他にないサービスの提供。(クリニック・40代・一般内科開業医)
  • 差別化。(クリニック・70代・一般外科開業医)
  • 他のクリニックと区別化した医療を提供できるかどうかが大切と思う。(大学病院・40代・眼科医師)
  • 独自性。(クリニック・40代・内分泌科医師)

無駄なコストの削減

  • いかに効率良く費用を抑えて良い医療を提供できるか。(クリニック・20代・眼科医師)
  • コストカット。(クリニック・60代・一般内科開業医)
  • コスト意識を持つ。(民間病院・30代・精神科医師)
  • 人件費削除。AIの積極的活用。(クリニック・40代・産婦人科医師)

集客対策

  • 集客できるサービスやスタッフのレベル向上。(民間病院・40代・精神科医師)
  • 集客につながる医療機関の特性を出すなど魅力づくり。(民間病院・40代・精神科医師)
  • 集客努力。(クリニック・50代・婦人科医師)

患者のニーズに寄り添う姿勢や、オンラインやリモート、訪問など、多様な診療スタイルの導入などを、今後の医療経営に求められるものとして挙げている医師が多かったです。

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コロナ禍前と比較すると、やはり患者数は戻ってきていない

新型コロナウイルス感染症の流行前の2019年と比較して、患者数はどのように変化しているのでしょうか。以下のデータを見ると、病院・診療所における在院患者数が減少していることが分かります。

▼2019(令和元)年9月から3ヵ年の同月患者数の比較

厚生労働省『病院報告』のデータを元に表を作成

上の表によると、2021(令和4)年9月末の「1日平均患者数」は、病院全体で入院:113万1人、外来:128万1753人となり、2020(令和2)年同月と比較すると、入院では2.5%の減少となりました。外来では4.3%の増加となりましたが、新型コロナウイルス感染症の影響がなかった2019(令和元)年同月と比較すると、入院では7.9%減、外来では1.2%減の大幅な減少となっています。

このようにデータからも、コロナ禍前と比べて医療機関を受診する患者数が減り、まだ戻ってきていないことがうかがえます。

まとめ

今回の医師へのアンケートの結果や実際の患者数の推移データなどから、コロナ禍前のような患者数は戻って来ていないことがわかります。医療機関の経営は、今後も厳しい状況が続く可能性があります。

アンケートの中で挙げられていた意見のように、新しい診療スタイルの導入など、医療機関は新たな経営対策の検討が必要です。

さまざまな対策を尽くしても、なかなか経営が改善しない……という時は、医業承継も1つの方法として考えられます。医業承継がどういうものかあまりご存知なければ、まずは資料をチェックしてみてはいかがでしょうか。

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