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紙カルテと電子カルテのメリット・デメリット徹底比較

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紙カルテと電子カルテ|メリット・デメリット徹底比較
紙カルテと電子カルテ|メリット・デメリット徹底比較

医療現場で電子カルテ導入が進む一方、紙カルテも依然として多く利用されています。紙カルテは導入コストが高く災害に強いですが、書き間違いや共有困難なことがある点や、保管スペースが必要なデメリットがあります。電子カルテは業務効率化や省スペース化、情報検索が容易という利点がありますが、導入コストの高さやセキュリティ対策、バージョンアップへの対応が必要です。

この記事では、それぞれの特徴や注意点などを説明していきます。

紙カルテ電子カルテ
メリット導入コストが安い
災害時・緊急時に強い
業務効率化
省スペースにつながる
情報を見つけやすい
デメリット書き間違いが起こる
読みにくさ
共有できない
保管場所が必要
導入コストの高さ
セキュリティ対策が必要
バージョンアップへの対応

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紙カルテと電子カルテの違い

カルテは患者ごとの診療結果やバイタル等の情報、そのほかにも看護記録や診察においての検査結果など患者に関する情報をすべて記載したものです。
これまでは紙カルテを活用することが一般的でしたが、電子カルテを導入する医療機関が増えています。電子カルテは、これまで紙カルテに手書きしていた内容をコンピューターを使って記入したり保存したりします。
紙カルテは従来の方法であり、現在でも利用している医療機関は少なくありません。特に診療所では令和2年時点で5割ほどが紙カルテを使用しています。

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紙カルテのメリット

電子カルテの導入が推進されてはいますが、紙カルテを使い続けたいと考える医師も多くいます。ここでは紙カルテのメリットを整理していきます。

紙カルテに次のようなメリットが挙げられます。

  • 導入コストが安い
  • 災害時・緊急時に強い

導入コストが安い

紙カルテは導入コストが安いのがメリットです。電子カルテを導入する場合高額になることが少なくありません。しかし、紙カルテは極端なことをいえば紙とペンだけで導入可能です。

災害時・緊急時に強い

紙カルテは災害時や緊急時において、使えなくなることはありません。電子カルテは電源を使うことから、システムの故障や停電の場合使えなくなる可能性があります。また、近年ハッキングなどの被害にあうケースもあります。しかし、紙カルテであればこれらの心配はありません。

電子カルテのメリット

電子カルテには次のようなメリットがあります。

  • 業務効率化できる
  • 省スペースにつながる
  • 情報を見つけやすい

業務効率化できる

電子カルテの大きなメリットのひとつが業務効率化であるといえます。
受付でのカルテ出しの時間が削減され、医師も患者の状態をリアルタイムで確認することができるようになります。
たとえば「この患者さん、血圧が高い」「酸素濃度が低い」などと検査結果をすぐ知ることができるため、迅速に適切な処置を行うことができます。

省スペースにつながる

電子カルテはサーバー上で管理できるので、保管スペースを確保する必要がありません。特にクラウド型であれば、病院に機器を設置する必要がなく、スペースをとらないという意味においては優れているといえるでしょう。

情報を見つけやすい

電子カルテで保管をしておくと、必要なときに必要な情報を検索できます。紙カルテの場合は、場合によっては必要な情報を探すのに時間がかかってしまう可能性があります。
しかし、電子カルテは検索機能を使って長くても数分で検索、また編集までおこなうことができます。

紙カルテのデメリット

紙カルテには次のようなデメリットが挙げられます。

  • 書き間違いが起こる
  • 読みにくさ
  • 共有できない
  • 保管場所が必要

書き間違いが起こる

紙カルテは手書きであるため、書き間違える可能性があります。電子カルテであればヒューマンエラーを大幅に減らせることを考えると、この点は紙カルテにとってデメリットだといえるでしょう。

カルテを書き間違えることで医療ミスにつながる可能性はゼロではありません。

読みにくさ

人によって書く文字が異なり、読みにくい場合もあります。限られた診療時間のなかで走り書きするため、どうしても読みにくい文字となってしまうこともあるでしょう。後で読み返したときや看護師が情報を把握するときに、手間がかかってしまう可能性があるのです。名前や書いた内容などを間違って読んでしまい、判断ミスをしてしまうリスクも考えられます。

共有できない

紙カルテは1人の患者さんに対して1部しかないことから、他の看護師や医療事務員などが紙カルテを利用していると見ることができません。結果的に、患者さんを待たせてしまったり情報共有が十分でなかったりするために患者さんに迷惑をかける可能性があります。

保管場所が必要

カルテは診療が完結してから5年間保管する必要があります。そのため、通院していない患者さんのカルテの保管も必要となり、保管場所の確保だけで病院の負担になるケースは少なくありません。

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電子カルテのデメリット

電子カルテには次のようなデメリットが挙げられます。

  • 導入コストの高さ
  • セキュリティ対策が必要
  • バージョンアップへの対応

導入コストの高さ

電子カルテのデメリットとして導入コストの高さが挙げられます。一般的な相場として300万円前後必要であり、さらに互換性のあるレセプトをできるコンピューターを導入する場合はさらに150万円前後の初期費用が必要です。

さらに、電子カルテは導入費用以外に月々の運用コストが必要です。システムにもよりますが平均で毎月2〜3万円必要であり、そのほかにも電気代やメンテナンス費用がかかります。

電子カルテにはオンプレミス型とクラウド型があり、クラウド型であれば専用の端末が不要であるため初期費用を抑えることができます。

セキュリティ対策が必要

カルテは個人情報を扱うことから、セキュリティ対策が重要になります。電子カルテシステムがサイバー攻撃を受け情報が漏洩したこともありました。

医療分野は、医療情報技術が診療に不可欠な要素となったことで、岐路に立たされています。これらのシステムは、医師や医療従事者に新たなチャンスと課題をもたらしています。その中でも電子カルテの登場は大きな変化といえるでしょう。

電子カルテの普及に伴い、個人情報の漏洩が頻繁に問題視されるようになりました。近年でも、看護師による新型コロナ感染症患者の電子カルテデータの流出や、医療従事者による患者データの入った記憶媒体の紛失など、さまざまなケースでそのような問題が発生し、中には損害賠償訴訟に発展した例もあります。このようなニュースが報道されるたびに、電子カルテを導入している医師や医療従事者からは、その安全性について懸念の声が上がっているのです。

バージョンアップへの対応

電子カルテに限らず電子化を進めるうえで、定期的なバージョンアップが必要です。ほかにも、それぞれの電子カルテを導入するために必要なスペックがあり、PCがバージョンアップや初期導入時に対応しているかどうか前もって確認することが重要です。

まとめ

電子カルテは平成11年に電子記録として保存することが認められるようになってから普及していきました。
カルテには紙カルテと電子カルテがあり、それぞれにおいてメリットやデメリットが挙げられます。
医師や看護師、スタッフにとって使いやすいものを選ぶとよいでしょう。

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この記事の監修者

田中 宏典

田中 宏典 <専門領域:医療経営>

株式会社エムステージマネジメントソリューションズ代表取締役。医療経営士1級。医業承継士。医療機器メーカー、楽天を経て株式会社エムステージ入社。医師紹介事業部の事業部長を経て現職。これまで、病院2件、診療所30件、介護施設2件の事業承継M&Aをサポートしてきた。エムステージグループ内のM&A戦略も推進している。

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