【関東×内科】医業承継をきっかけにマネジメント面の改善を実現

【売り手側】I医療法人：マネジメント面を改善するために譲渡を希望

譲渡を希望されたのは、内科を中心に複数のクリニックを経営している関東の医療法人です。全てのクリニックの経営が順調でしたが、O内科クリニックのマネジメントが行き届いておらず課題となっていました。さらに、管理医師（院長職）へのマネジメントがうまくいっていないために、売り上げも少しずつ減少し始めていました。
このクリニックでは、職員間の関係性も良好とはいえない状態が続いていたのです。このようなマネジメント面や職員間の関係性などの内部の運営・管理体制を立て直すために、事業譲渡を希望されました。

【買い手側】K先生（40）：良好な経営状況の医療機関を引き継ぐことを希望

承継を希望されたのは、関東のクリニックに勤務しているK先生です。開業したいと考え、初めての病院経営ということもあり、経営状況の良い医療機関を承継したいとの思いで医療機関を探されていました。

案件概要書の作成で工夫したポイント

買い手側へご案内する案件概要書には、実際に引き継いだ先生が借入を行った後にどれくらいで回収が可能かシミュレーション表を入れました。シミュレーション表を掲載したことで、承継後の経営をより具体的にイメージしていただくことができたと思います。実際に、譲渡先であるK先生にも、案件概要書をご案内してすぐにトップ面談と現地視察を希望されるご連絡をいただきました。

成約の決め手は、良好な経営状況と承継開業への熱意

成約までの期間は約8か月です。内科クリニックの良好な経営状況が決め手となり、K先生が承継を希望されました。また、K先生が勤務医として働いていた医療機関と、この内科クリニックは同地域にあり、病診連携も行っていました。このため、K先生は内科クリニックを経営する医療法人の理事長とも間接的に面識があり、同法人に対しても、システムや経営状況が良好という認識を持っていたそうです。
一方、譲渡側である医療法人の理事長は、自身が若くして開業されたこともあり「若くてやる気のある先生に経営を任せたい」と希望されていました。若手で開業への熱意のあるK先生は、そんな理事長の希望にも合致しており成約にいたったのです。現地視察とトップ面談の際には、既に面識があったこともありK先生へ譲渡する前提で話が進みました。

職員の引継ぎ・マネジメントの改善へのサポートを実施

既存の職員の引き継ぎやマネジメント面の改善については、丁寧にサポートさせていただきました。こちらの案件では、承継開業後に継続して勤務する職員と退職する職員が発生したので、その調整や引継ぎ期間の設定などにも対応。特に退職する職員の引継ぎ期間を早めに設定するなど、承継開業を成功に導くよう支援いたしました。
また、マネジメント面を改善するために、承継開業後の体制についてもご相談に乗らせていただきました。たとえば、既存の医師との相性を重視して人材を採用すること、非常勤の医師が複数体制で勤務する体制を組み立てることで職員間の関係性が悪化した際のリスクヘッジにつなげることなどをご提案。さらに、職員の教育プログラムをご提供させていただきました。
承継を機に大きく収益が下がるような要素はありませんでしたが、少しずつ収益が目減りしていたので、今後はマネジメントしながらそこを補填していかなければならない旨をご説明させていただきました。また、既に人件費をある程度抑えることができていたのですが、新しく職員を採用することで人件費が膨らむ可能性がありました。損益分岐点がどれくらいになるかご説明させていただいた上で、職員の方の給与をどれくらいに設定すべきかご提案しながら承継を進めていきました。

医業承継がマネジメント面を改善する良いきっかけになった

譲渡する内科クリニックは収益的には良好でしたが、マネジメント面や職員間の関係が悪化しているという課題があり、少しずつ売り上げも減少傾向にありました。これらの課題を解決するために、医業承継が良いきっかけになったと思います。医業承継によって、運営・管理体制を立て直すことができました。
譲渡先である医師には地域の知見があり、承継開業後も周囲の医療機関との連携が見込めます。もともと医療の質も良好なクリニックですし、承継開業によって院内の体制をしっかりと立て直すことができれば、今後も順調な経営が期待できると思います。